カーゴニュース 2024年7月9日 第5257号
帝国データバンクによると、6月の景気DIは前月比0・2pt減の43・3となり、3ヵ月連続で悪化した。国内景気は、円安に伴うコスト負担の高まりや個人消費の落ち込みにより改善が進まなかった。3ヵ月連続の悪化は2020年5月以来、4年1ヵ月ぶり。業種別で「運輸・倉庫」はわずかながら改善した。
6月は、宿泊業や娯楽サービス業など個人向けサービスを中心に個人消費DIが大きく落ち込んだ。円安による原材料価格の高止まりなどコスト負担の増加が景況感を下押しする要因となった。さらに人件費の増加や「2024年問題」への対応、不十分な価格転嫁なども悪材料だった。近隣地域からの旅行客獲得が各地域の観光産業の明暗を分けた。一方で、インバウンド消費が好調だったほか、DX関連投資や民間工事の発注増加、エアコンなど季節商材の販売、活発なイベントの開催などは好材料だった。
「運輸・倉庫」の景気DIは43・4で前月比0・1pt増。「輸送、保管ともに問い合わせが増加している。円安で輸入コンテナが減少したが輸出コンテナは増加している」(集配利用運送)との声も一部あったが、「中国への輸出が不調のほか、ナイロン生産も低調」(港湾運送)、「『2024年問題』が認知されつつあって輸送料金の値上げが徐々に行われているが、まだ会社の利益につながるほどではない」(一般貨物自動車運送)、「輸出入は中国景気の低迷の影響、国内は景気低迷により、荷動き全般で鈍化している」(運送取次)とのマイナスの声も多い。
先行きについては、「運賃の値上げ傾向が続く」(貨物軽自動車運送)と改善の予測もあったが、「海上コンテナの空きスペースが足りなくなってきている。海上輸送に混乱が続く限り、全体としての取り扱いボリュームは増えてこない」(港湾運送)、「物流の停滞や人材不足、物価上昇の影響は続く」(組立こん包)、「物価、エネルギーコストの上昇による影響」(一般貨物自動車運送)とのマイナスの見通しも聞かれた。
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