カーゴニュース 2024年7月23日 第5261号
国土交通省は、東京国際空港(羽田空港)で国内空港初となる、貨物搬送の自動化に向けて自動運転レベル4でのトーイングトラクターの試験運用を1日から19日まで実施した。全日本空輸(ANA)と豊田自動織機が開発中の自動運転トーイングトラクター(写真)を使用した。
国交省航空局では、生産年齢人口の減少に伴うグランドハンドリングの労働力不足に対応するため、官民が連携し、手荷物・貨物等の輸送を想定したトーイングトラクターや、乗客・乗員等の輸送を想定したバス等の自動運転の導入に向けた実証実験を進めてきた。
この取り組みの一環として、2018年6月に「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」を設置し、自動運転車両が自律的に走行できない箇所で車両のサポート等を行う共通インフラや、空港制限区域内の運用ルールに関し検討してきた。
今回、東京国際空港で、運転者を乗車させず、実運用に限りなく近い形式で、自動運転レベル4でのトーイングトラクターの試験運用を国内で初めて実施。走行区間は第2ターミナルの63・64・65番スポット~東貨物上屋間の片道約2㎞。10分程度で走行し、最大6基のコンテナを運搬した。
今後は、年内に共通インフラのガイドラインの策定や運用ルールの改正等を行うとともに、25年中の空港制限区域内における自動運転レベル4の実運用に向けた共通インフラの整備、中長期的な課題の検討等の取り組みを進めていく。
16日には報道向けに試験運用の様子が公開された。ANAグランドハンドリング企画部の森真希子氏は「自動化やDX化によるハンドリング改革を行うことで、より少ない人数・労力でオペレーションできる体制を目指したい」と話した。
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