カーゴニュース 2024年7月25日 第5262号
イオン(本社・千葉市美浜区、吉田昭夫社長)、イオン九州(本社・福岡市博多区、中川伊正社長)、イオングローバルSCM(本社・千葉市美浜区、手塚大輔社長)、Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT、本社・東京都文京区、中嶋裕樹社長)は22日、物流社会課題の解決とカーボンニュートラルへの貢献を両立する取り組みを、新物流センター「イオン福岡XD」(福岡市東区)で実施すると発表した。
イオンは、物流の最適化を目指し、各流通段階における効率改善を推進。一方、トヨタ自動車、いすゞ自動車、日野自動車、スズキ、ダイハツ工業が参画するCJPTは物流効率化とカーボンニュートラルにつながる車両電動化に取り組んできた。
両社はフェーズ1として2021年4月からイオングローバルSCMの南大阪RDCで協業を開始。イオンの持つ小売業の物流ノウハウとTPS(Toyota Production System=トヨタ生産方式)の思想を組み合わせ、モノの流れの見える化・整流化を目指し「物流センター内作業改善による積載率向上」や「リアルタイムデータを活用した最適配送」を実現した結果、トラックの総走行距離を10%効率化し、CO2排出量も10%削減した。
22年9月からはフェーズ2として、イオン九州とともに、さらに活動の範囲を卸事業者や仕入先まで広げ、業界を超えた取り組みにより、川上から川下まで一気通貫で輸配送の効率化を進めてきた。
今回、フェーズ3として、24年7月24日から本格稼働する新物流センター「イオン福岡XD」でこれらを集約することで物流効率化の効果の拡大に取り組む。加えて「車両の電動化」を推進し、物流課題解決とカーボンニュートラルを両立させ、2030年までにCO2排出量35 %削減を目指す。
具体的には、これまでの「物流センター内作業改善」「最適配送」による総走行距離の短縮への取り組みに「物流作業の自動化」を融合し、作業負荷軽減や生産性向上を推進するとともに、燃料電池(FC)小型トラック導入などCO2排出量削減を進めていく。
今後、「仕入先とのデータ連携による物流の効率化」「幹線物流(長距離輸送)におけるダブル連結トラック活用・共同輸送」など、取り組みをサプライチェーン全体に広げ、全国で物流課題解決とカーボンニュートラルへの挑戦を続けていく。
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