カーゴニュース 2024年8月6日 5266号
NX総合研究所(本社・東京都千代田区、田中博之社長)が発表した「企業物流短期動向調査(NX総研短観)」によると、製造業など荷主企業の国内向け出荷動向の2024年7―9月見通しは▲7」となり、改善傾向にはあるものの、依然として水面下にとどまっていることがわかった。また、トラック、鉄道、内航海運などの国内各輸送モードの利用動向も、一様に改善しているものの、引き続き水面下で推移。一方、運賃・料金の動向については、一般トラックの7―9月見通しが「+60」まで高まるなど上昇圧力が一段と強まっている。
国内荷動き指数は改善も依然マイナスに
同短観は、四半期ごとに製造業、卸売業の主要2500事業所にアンケート調査を実施しているもので、今回は680社から回答を得た。
それによると、国内向け出荷量は4―6月実績(見込み)の指数は「▲12」となり、1―3月実績の「▲17」から5 pt改善。さらに7―9月見通しは5pt改善の「▲7」になるなど着実な改善傾向がうかがえる。しかし、2022年4―6月実績でマイナスに転じて以降、水面下での推移が継続している。
業種別の荷動き指数を見ると、4―6月実績(見込み)でプラスとなったのは15業種中、食料品・飲料の1業種のみだったが、7―9月見通しではその他製造業、化学・プラスチックを加えた3業種に増えたほか、繊維・衣服もゼロ水準まで回復した。
各輸送モードの指数も着実に改善
国内各輸送機関の利用動向を見ると、引き続き全モードがマイナスで推移しているものの、総じて改善の動きが顕在化している。輸送モードごとに1―3月実績、4―6月実績(見込み)、7―9月見通しの推移を見ていくと、一般トラックは「▲15→▲10→▲6」、特積みトラックは「▲18→▲10→▲7」、宅配便は「▲13→▲8→▲4」、鉄道コンテナは「▲14→▲9→▲5」、内航コンテナ船・RORO船は「▲14→▲6→▲5」となっており、荷動き指数と同様、着実に改善していることがうかがえる。
輸出入貨物の動向についても、外貿コンテナ(輸出・輸入)、国際航空(輸出・輸入)ともに、マイナスながら改善の動きが出ている。外貿コンテナ輸出は「▲15→▲3→▲1」、外貿易コンテナ輸入は「▲12→▲8→▲6」、国際航空輸出は「▲15→▲11→▲10」、国際航空輸入は「▲17→▲1
2→▲11」という推移をたどっており、輸出入の荷動きが徐々に改善していることが指数からもうかがえる。
運賃・料金は全モードで上昇基調に
一方、国内の荷動きが依然として水面下で推移しているものの、運賃・料金については「2024年問題」の影響もあって上昇圧力が強まっている。トラック、鉄道、内航海運、倉庫など全モードで上昇基調にあるが、とくにトラックの上昇圧力がより高まっている。一般トラックの指数は「+40→+59→+60」、特積みトラックも「+36→+48→+50」と高い水準を保っている。また、それ以外でも鉄道コンテナ「+15→+29→+29」、内航コンテナ船・RORO船「+10→+23→+24」、国内航空「+6→+12→+15」となっているほか、倉庫保管料も「+21→+34→+36」と上昇傾向が続いている。
こうした傾向を受けて、売上高に対する物流コストの割合も上昇傾向をたどっている。1―3月実績の指数「+30」に対し、4―6月実績(見込み)は「+49」、7―9月見通しは「+53」となっており、過半数の荷主企業が物流コスト割合の上昇を見込んでいることが明らかになっている。
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