カーゴニュース 2025年7月31日 第5360号

「トラック適正化二法」特集

行政インタビュー
官民連携で健全な取引環境の実現へ
国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課長 三輪田優子 氏

「更新制・適正原価」導入に注力

2025/07/31 07:00
全文公開記事 FOCUS 行政 インタビュー

 物流の「2024年問題」対策として取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」など、政府はトラック運送業の課題解決に向けて業界との連携を緊密化しつつ、矢継ぎ早に施策を実施している。昨年は荷主を巻き込んだ物流改革を促進する「改正物流法」が成立。さらに6月4日には運送業界のさらなる適正化を図ることと目的とした「トラック事業適正化関連法」が成立した。一連の制度に基づき、官民一体の物流改革が進むなか、国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長の三輪田優子氏にトラック行政について話を聞いた。

(インタビュアー/吉野俊彦)

 

より良い運送業界を目指し、法改正が続く

 

 ――昨年は改正物流法(新物流総合効率化法・改正貨物自動車運送事業法)が成立・公布され、今年4月から順次施行が始まりました。その2ヵ月後の6月4日に貨物自動車運送事業の改正とトラック運送事業の適正化を推進する新法が成立し、同月11日に公布されました。トラック運送業改善の取り組みが相当スピードアップしている印象があります。

 

 三輪田 少し振り返ってみます。貨物自動車運送事業法は平成30年(2018年)の議員立法での改正により、荷主対策の深度化、標準的運賃の告示制度の導入などがなされました。トラック運送事業者の法令違反を引き起こすおそれのある荷主の行為(違反原因行為)を是正するため、国が指導し、要請や勧告・公表を行うことができるようにしたものです。標準的運賃の告示制度は、国が標準的な運賃を定め、告示することで、トラックの労働条件の改善や事業の健全な運営の確保を図るものです。

 

 その後、いわゆる物流の「2024年問題」への対応を図るため、政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」や「2030年度に向けた政府の中長期計画」などを取りまとめました。荷主企業、物流事業者、一般消費者が協力し、商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容を進めるための抜本的・総合的な対策を掲げています。中長期的に継続して取り組むための枠組みとして、昨年4月に「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」(改正物流法)が成立し、翌5月に公布されました。同法に基づき、全ての荷主等が物流効率化のための措置に取り組む努力義務や、トラック運送事業者の取引に対する規制的措置については今年4月に施行し、大規模な荷主等に対する中長期計画の策定や物流統括管理者の選任等の規制的措置は来年4月に施行される予定です。これらにより、荷主・トラック運送事業者間の取引環境を改善するとともに、運送業界の多層取引構造を是正することで、物流の担い手である実運送事業者が適正な運賃・料金を収受できる環境をつくることが必要です。

 

 ――トラック関係の規制的措置が4月1日に施行されました。

 

 三輪田 従前よりトラック運送業においては、多重取引構造や口頭による運送契約の締結などが、適正な運賃・料金の収受を妨げる課題となっていました。そうした課題の解消を図ることが規制的措置の目的です。トラック運送事業者に関しては、元請事業者に対し、実運送事業者の名称等を記載した実運送体制管理簿の作成を義務付けるとともに、荷主・トラック運送事業者・利用運送事業者に対し、運送契約の締結等に際して、提供する役務の内容や運賃、附帯業務料、燃料サーチャージなどについて記載した書面による交付を義務付けています。また、トラック運送事業者と利用運送事業者に対し、他の事業者の運送の利用の適正化について努力義務を課しています。さらに、一定規模以上の事業者に対し、当該適正化に関する管理規程の作成と責任者の選任を義務付けています。

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