どのような施策を実施しているか

カーゴニュース 2024年8月29日 第5270号

ズームアップ
「2024年問題」に施策なしが86%

中小零細企業へのアンケートで

2024/08/29 15:54
2024年問題

 フリーウェイジャパン(本社・東京都中央区、井上達也代表取締役)は、中小企業/零細企業の代表取締役・個人事業主161人、従業員104人の計265人を対象とした「物流の2024年問題」に関するアンケートを実施した。それによると、「2024年問題」に対して施策を行っていないとの回答が8割超にのぼる一方、価格改定の打診には9割超が応じていた。

 

価格改定の打診「承諾」が9割超

 

 「2024年問題」について、どの程度知っているかを聞いたところ、「理解している」が48・3%、「どちらとも言えない」が27・9%、「聞いたことがあるが、理解していない」が15・5%、「深く理解している」が5・7%。「全くわからない」も2・7%あった。


 物流業界のドライバー以外、また、物流業界のドライバーの管理者以外の回答者に、24年の制度改正に伴って行っている施策はあるか聞いたところ、「ない」が86・0%、「ある」が14・0%。併せて、取引先の物流企業から価格改定の打診が来たかを聞いたところ、「いいえ」が70・0%、「はい」が30・0%だった。「はい」と答えた人で、その打診に「承諾した」は95・9%、「拒否した」は4・1%で、ほとんどが受け入れていた。

 

 制度改正を日頃意識しているか聞いたところ、「いいえ」が65・0%、「はい」が35・0%。具体策では、「再配達とならないように、到着時刻にオフィスにいるようにする、もしくは日付指定をする」が67・1%、「まとめ買いにより、一度に荷物を受け取るようにする」が43・5%、「購入するものの見直しを行う」が17・6%、「お店に買いに行くようにする」が14・1%、その他が11・8%という結果だった。

 

配送費の値上がり、遅延・納品遅れなど影響

 

 自社の経営・運営に影響があるか聞いたところ、「どちらかというとそう思う」が31・3%と最多。「そう思わない」が29・6%、「どちらかというとそう思わない」が25・9%、「そう思う」が13・2%と続く。理由は、「配送費が値上がりし、原価が圧迫されているため」が67・6%、「配送の遅延・在庫不足などが起き、顧客満足度の低下が起きているため」が32・4%、「部品などの到着が以前よりも後ろ倒しとなり、製造物の納品が遅れているため」が31・5%だった。

 

 影響があると回答した人のうち、制度改正に伴い行っている施策は「ある」が24・1%、「ない」が75・9%。影響があっても施策を行っていないケースが多い。具体的な施策としては、「納品タイミングの見直し」「作業フローの見直し・改善」がそれぞれ42・3%、「サービスの値上げ」が38・5%、「顧客満足度につながるサービスの開発」が7・7%、その他が15・4%だった。


 物流業界のドライバー、また物流業界のドライバーの管理者の回答者に、制度改正に対して現時点でメリットを感じているか聞いたところ、「そう思わない」が63・6%、「どちらかと言うとそう思わない」が27・3%だった。その理由としては、「人件費や経費・コストが増えたから」が55・0%、「『2024年問題』に対しての会社・社員の意識が低く、とくに何も変わっていないから」が40・0%、「労働時間が減ったことで、1時間当たりにこなさなければならない仕事が増え、忙しくなったから」が35・0%、「残業代が減ったから」が20・0%、「作業フローを見直した結果、新しいルールが浸透せず逆に混乱を招いているから」が15・0%だった。

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