カーゴニュース 2024年10月1日 第5279号
東日本高速道路(NEXCO東日本、本社・東京都千代田区、由木文彦社長)は9月20日、佐川急便(本社・京都市南区、本村正秀社長)と共同で、長距離輸送におけるドライバー交替の効果検証に向けた実証実験を、東北自動車道「佐野SA」(栃木県佐野市)の下り線で開始すると発表した。ドライバー交替の実証実験を高速道路で行うのは初となり、期間は9月28日から10月4日までを予定する。
今回の実験は、トラックドライバーの長時間労働軽減や労働時間の上限規制など「2024年問題」への対応として行われるもの。関西(京都府)から東北(福島県)までの680㎞の長距離輸送を対象に、ひとつの輸送工程を複数のドライバーで分担して貨物を輸送する「中継輸送」のうち、「ドライバー交替方式」の効果と課題を検証。併せて、運用時のSA・PA内の安全性や物流事業者の運行計画上の実現性なども確認する。
具体的には、車両が第二京阪道路「八幡東IC」(京都府八幡市)から中継拠点の佐野SAまでの550㎞を走行後、SA内でドライバーを交替し、東北道「矢吹IC」(福島県矢吹町)までの130㎞を走行する。実証は朝6時台の1日1便で実施。ドライバーの拘束時間は、関西~佐野間が約13時間、佐野~東北間が約3時間となる。
NEXCO東日本は今回の実証で「SA・PAでの長時間駐車に起因する駐車マス不足などの課題解消のほか、ドライバーの確実な休息機会の確保といった効果が期待される」としている。今後は2025年3月頃までに運用上のルールを整理・策定し、その後の運用実施を目指す。
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