カーゴニュース 2024年10月3日 第5280号
ロジスティード(本社・東京都中央区、中谷康夫会長兼社長)は9月26日にメディア懇談会を開催し、中谷氏(写真)らが登壇して、今後の国内外における成長戦略などを公開した。とくに、営業強化策としては「日本で勝ち世界で伸ばす」を戦略目標に据えた「Global Account Program(GAP)」を策定し、グローバルアカウント営業を推進。併せて、フォワーディング事業におけるネットワーク強化や、海外事業会社の“LOGISTEED”ブランドへの統一も進める。
国内事業の成長戦略としては、①営業体制の強化、②脱炭素活動の加速、BCP対策、③人材育成、社内教育の充実、DX推進、④荷待ち・荷役等時間の削減、労務費の適正転嫁、自動化・省人化の推進、⑤協力会社との関係強化、料金・契約形態の適正化――の5項目を重点施策に据える。
このうち、営業体制の強化では、営業部門を従来の5部体制から10部体制へと細分化し、セグメント別の専門組織化を進めるとともに、グローバルトップラインの伸長に向けて、グローバル営業開発本部を新設。その上で、「日本における圧倒的な地位確立とグローバルで非日系の新規案件を獲得できる企業」を目標として、各種施策を遂行する。
とくに重要施策と位置づける「GAP」では主要顧客(Key Account)を選定し、きめ細かな保守・新規獲得戦略を立案・実行する。各アカウントにはマネージャーを選任し、顧客のサプライチェーン全体に寄り添いながら、「GAP」遂行の責任を担う。アカウントマップも精緻化し、属人的な営業からの脱却と、管理者による適切かつ迅速な判断につなげる。
海外事業の成長戦略では、①営業開発の加速②フォワーディング事業におけるネットワークの強化③“One LOGISTEED“として真のグローバル事業会社への変革――を重点施策に掲げ、「海外事業チーム(International leadership Team=ILT)」が中心となって遂行する。
営業開発の加速では、「GAP」により日系、非日系顧客を開拓するとともに、「Industry Program」として産業別のターゲットに対して体系的にアプローチし、中でも自動車、機械、消費財、エレクトロニクスの4産業分野へフォーカスしていく。
フォワーディング事業のネットワーク強化では、物量が多いレーンや、顧客ニーズが強く、スペースが不足しているようなレーンを対象にトレードレーンを設定。また、海上貨物のプロキュアメント部門を設置するほか、輸送運賃の見積もり対応チームも立ち上げる。一連の施策に併せて、運営体制やITシステムの更新も行っていく。
さらに“One LOGISTEED”の実現に向けて、海外事業のブランドを統一。M&Aによってグループ化した海外企業などは現在も統合前のブランドを継続的に使用するケースが多く、今後は各事業会社の施設や車両、名刺なども“ LOGISTEED”ブランドに統一させる。
これらに併せて、「当社にとって重要なこと」(中谷氏)としてDXによるSCMの全体最適と高付加価値ソリューション、顧客利便性の向上を追求する。安定した事業運営の継続拡大に向けて、倉庫内の人と設備を統合管理して最適にコントロールする自社開発システム「Resource Control System(RCS)」を活用。また、「SCDOS」では顧客のサプライチェーン全体の最適化を可能とし、CO2可視化をはじめとするサービス拡張も行っていく。
中谷氏は「再上場に向けて、ある意味『グローバルで本当に戦えるか』という論点整理ができており、その論点のひとつがグローバルで戦うために誰とどう組むかということ。KKRというグローバル企業と組んだことで、グローバル市場への再上場に向けてベンチマークする会社も変わったし、ライトアセットへの転換も会社として大きな決断だった。M&Aについてもどこと組むかが重要で、進行中のTOB案件ではなかなか入りきれなかった電子部品に取り組むとともに、ルーツが似た会社であることから、ものづくり系の3PLを拡大できるチャンスとなる。今後フォワーディング事業を強化する中では、ネットワークを強化できる会社とパートナーシップを組んでいくだろう」と展望した。
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