カーゴニュース 2024年11月7日 第5290号

神奈川トラック協議会
着荷主での荷役が長時間労働の要因に

2024/11/06 16:00
行政 トラック輸送

 関東運輸局の神奈川運輸支局は10月31日、神奈川労働局などと連携し、神奈川県内のトラック運送の関係者が参画する「トラック輸送における取引環境・労働時間改善神奈川県地方協議会」の第20回会合(写真)を開催した。事業者からは神奈川県トラック協会会長の吉田修一氏らが出席した。今回の会合では、神奈川県内で加工食品輸送を行う運送事業者281社を対象に実施したアンケート調査の結果を発表した。昨年12月の実態について、NX総合研究所が今年3月に調査したもので141社が回答した。

 

「16時間超」の長時間労働も発生

 

 それによると、約5割の事業者でドライバーの長時間労働が発生しており、そのうち半数以上の事業所で拘束時間13時間超の長時間労働が発生し、13~16時間が約4割と最多で、調査開始以来、初めて「16時間超」が9・5%あった。昨年の調査と比べ長時間労働の発生割合は減少したが、拘束時間は悪化した。また、長時間労働の理由として、事業者の6割弱が「着荷主での荷役に時間がかかる」、7割弱が「着荷主での荷降ろしに時間がかかる」と回答。前回調査と同様、長時間労働の発生場所は主に着荷主となっていた。また、今回の調査で初めて、すべての事業者が「コストを下げるため、一般道路を走行せざるを得ない」と回答し、高速道路を利用できないことが長時間労働の要因となることが明確になった。

 

5割弱の事業者が「発注量の平準化」を要望

 

 加工食品輸送の長時間労働改善に向けて発・着荷主に望む協力については「発注量の平準化」が46・5%と半数近くあがっていた。そのほか「運転以外の作業部分の分離」が44・2%、「パレット等の活用」が41・9%とそれぞれ4割を超えていた。そのほか「集荷先や配送先の集約」が27・9%、「十分なリードタイムの確保による安定した輸送の確保」が23・3%となった。

 

 発・着荷主と長時間労働の改善に向けた検討の場については、43社のうち46・5%が発荷主と、37・2%が元請と、4・7%が着荷主と検討の場を設けていると回答。発荷主は前回調査より14・3pt増となったが、元請は0・1pt減、着荷主は0・4pt減となった。長時間労働の改善に向け、発荷主との検討は進んでいるものの、着荷主との検討は進んでいないことがうかがえる。

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