飲料のみの積載(左)から混載に切り替えて輸送を効率化

カーゴニュース 2024年11月7日 第5290号

コカ・コーラ/湖池屋
関西~九州間で飲料と菓子を混載輸送

空きスペース活用で車両3割削減

2024/11/06 16:00
荷主・物流子会社 効率化・改善 2024年問題

 コカ・コーラ ボトラーズジャパン(本社・東京都港区、カリン・ドラガン社長)と湖池屋(本社・東京都板橋区、佐藤章社長)は10月31日、関西から九州への製品輸送で、共同幹線輸送を同月から開始したと発表した。荷台の空きスペースを活用し、飲料製品と菓子製品を混載輸送して、積載率向上とトラック台数削減を目指す。

 

 今回の取り組みでは、重量貨物であるコカ・コーラの飲料製品をトラックの荷台下段に、軽量貨物である湖池屋の菓子製品を荷台上段に積載して両製品を混載。荷台に生じた空きスペースを有効活用することで積載率を向上し、輸送の効率化につなげる。

 

 具体的には、両社の物流パートナー会社が、京都府エリアにあるコカ・コーラの倉庫で飲料製品を積載した後、湖池屋が委託する京都府・大阪府エリアの倉庫に立ち寄り、荷台の空きスペースに菓子製品を積載して、関西から九州に向けて混載輸送する。製品は湖池屋の福岡県エリアの倉庫とコカ・コーラの佐賀県エリアの倉庫へ納品される。

 

 コカ・コーラでは長距地輸送と輸送数量の削減に向けて、1都2府35県の事業エリアを6つのエリアに分けて輸送を管理する「地産地消」の物流に取り組んでいる。しかし、製造数量が少ない製品では需要により長距地輸送が発生し、トラックを確保する必要があった。また、飲料製品が重量貨物であることから、2段に重ねて積載することができず、荷台上部に空きスペースが生じていた。

 

 一方の湖池屋は、商品の安定供給と輸送量削減のため、2021年7月に熊本県で九州阿蘇工場を開設。地産地消とトラック輸送の削減に努めていたが、生産拠点が限られる一部商品で長距地輸送が発生しており、車両の確保が課題となっていた。

 

 両社は共同輸送の実施に先立ち、8~9月にかけてテスト輸送を実施した。今回の取り組みにより、容積・重量とも積載率を100%に近づけるとともに、個社で同ルートを輸送手配したときと比べ、トラックの使用台数を33%削減できると見込む。

 

 両社は「今後も限られた車両の有効活用を通じて物流の効率化を図ることで、社会課題である『2024年問題』解決に貢献するとともに、持続可能な製品の安定供給を目指していく」としている。

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