カーゴニュース 2024年11月14日 第5292号
神奈川臨海鉄道(本社・川崎市川崎区、飯田聡社長)は10日、川崎貨物駅構内で「危険品漏洩初動対応訓練」を実施した。訓練には川崎市消防局臨港消防署が協力した。
今回は、同駅荷役ホームにおいて、集荷を終えたコンテナをオペレータがフォークリフトで移動中、目の前を横切ってきた自転車を回避するためとっさにブレーキを踏み込み、コンテナがフォークリフトから落下しコンテナ内部のドラム缶が破損、危険品の液体(ジエチレングリコール)が漏れ出した――という想定で行われた。
訓練の冒頭、飯田社長は「今日の訓練では、一刻も早く消防に通報すること、社員と近隣の方々の安全を確保すること、外部への危険品の流出を防ぐこと――これらを意識して臨んでほしい」と挨拶した。
フォークリフトオペレータの現場状況の確認と本屋貨物へ無線連絡、そこから消防署や関係各所への連絡を正確かつ速やかに行う訓練と、「風上への避難」「保護具の着用」など安全を確保しながら、吸着マットや土嚢で危険物の流出を食い止め、かつ、地下水路に流入しないよう排水溝を遮断する、漏洩範囲を最小限にとどめるための作業訓練も行われ、消防隊による処置が始まるまでの初動対応が正しく実施できるかを確認した。訓練後には消防隊員が今回の訓練の良かった点、改善すべき点などを講義した。
その後は座学が開かれ、危険品漏洩時の初動対応の重要性や危険品の取り扱いについて、近年の事故事例の動画を用いながら、あらためて危険品を扱ううえでの心構えを学んだ。
最後に田代良一副社長が一日を振り返り「回数を重ねるごとに皆さんの動作が良くなっており、リアリティを持って行動していることを強く感じた。土嚢の積み方も以前に指摘されたことが改善され、訓練で学んだことを意識していることがよくわかった」と評価した。一方、「『必ず風上に避難するように』と言われていたが、風上はどの方向なのか戸惑う様子もみられた。声を出し合って情報を共有することも大切ではないか」などと述べ、今後のさらなる改善を期待した。
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