カーゴニュース 2024年11月26日 第5295号
通信販売で宅配サービスを利用する人の約47%が再配達を依頼し、追加料金を支払うことに抵抗感がある割合が約5割にのぼる――。生活者を起点にしたマーケティング支援事業をネオマーケティング(本社・東京都渋谷区、橋本光伸代表取締役)が10月に行った調査でこんな結果がわかった。再配達を依頼する人の約2割弱が「気軽に依頼できること」を理由として挙げていた。
置き配サービス、「利用しない」も3割
宅配の再配達依頼を行う頻度について、「ほとんど毎回依頼する」「依頼することが多い」割合は11・2%で「依頼することがある」を含めると46・8%だった。再配達依頼をすることが多い理由は、「配送時間帯に自宅にいないことが多いから」が39・3%で最多となり、「再配達を気軽に依頼できるから」と回答した割合が17・9%を占めた。現状、再配達に対してペナルティ(再配達料の設定)を設けている配送業者はおらず、再配達が生活者のダメージになることはないため、不用意な再配達依頼が増えてしまっていると考えられる。
よく利用するサービスの割合(「必ず利用する」「ほとんどの場合で利用する」の合算)で比較したところ、「置き配サービス」(33・5%)よりも「配送の日時指定」(48・0%)の方が利用率が高いことがわかった。また、「置き配サービス」は、「利用しない」と回答した割合も30・7%と3割あった。
「置き配サービス」を利用しない理由では、「盗難や紛失が心配だから」が48・9%でトップ。「荷物が汚れる可能性があるから」「荷物が破損する可能性があるから」など、置き配で荷物を一定の時間放置することで起こりうる事象よりも、「置き配に適した場所がない」ことの方が、サービスを利用しない(利用できない)理由としては大きいようだった。利用していない理由の詳細を自由記述で聞いたところ、「オートロックの物件で、置き配ができないから」(28歳、女性)と、オートロックを理由に挙げる声も散見された。
配送料金よりも配送日時指定を重視
現在利用している宅配サービスで満足している点について聞くと、「配送日時の指定ができること」が、「配送料が安い、または無料であること」(34・0%)をおさえ39・2%でトップだった。生活者にとって、予め日時指定できることがいかに重要であるかがうかがえる。
一方、現在利用している宅配サービスで不満な点では、「配送料が高い、またはかかること」が13・2%でトップ。「配達時間帯の選択肢が少なく時間帯が広すぎること」「配送日時の指定が自由にできないこと」など、受け取りに関する項目が9%前後で続く。一方で、「配達員の対応が悪いことがあること」や「荷物が破損して届くことがあること」といった、配達員個人による事象は7・1%以下にとどまっていた。
「物流の2024年問題」ですが、通信販売利用者の半数以上が、問題の内容を知っているという結果だった。しかし、そのうち「内容をよく知っており、詳しい影響についても理解している」と、自分たちにどんな影響を及ぼすのかまでを理解できている層は24・2%だった。
現在の宅配サービスの品質維持に費用がかかるとしたら、どう思うかを尋ねたところ、品質維持のためなら追加料金を支払っても構わないと回答した割合(34・9%)よりも、品質が低下してでも追加料金を支払いたくないと回答した割合(48・9%)が優勢だった。「品質向上」ではなく、「品質維持」に追加料金を支払うことに抵抗感があるという生活者は多いと思われる。
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