カーゴニュース 2024年11月26日 第5295号
プロロジス(本社・東京都千代田区、山田御酒会長兼CEO)は21日、茨城県古河市で開発を進めている「プロロジスパーク古河6」の来月の竣工に先立ち、見学会を開催し、内部をメディアに公開した。当日は多くの荷主や物流事業者に対し、同施設の詳細を紹介するとともに、設計・施工を手がけた三和建設による危険物倉庫に関するミニセミナーも行われた。
「古河6」はHAZMAT(危険物)倉庫8棟で構成され、延床面積は管理棟も含め計8900㎡。様々な用途で利用できるマルチパーパス型ロジスティクスパークとしてプロロジスが同市で開発を進める「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」のエリア内で開発し、竣工は12月25日を予定する。
設備面では、約4・9m弱の大型庇を各棟に採用することで雨天時の荷役業務を円滑化する。このほか、消火設備として移動式の泡消火設備を倉庫外に設置。「古河6」の管理棟は近接する「プロロジスパーク古河4」の管理センターと連携しており、「古河6」で火災などが発生した際、24時間体制で管理センターに人が常駐している「古河4」にも通報が届くことから、倉庫外での設置が可能となった。庫内の固定式による設置ではないため、誤報による消火設備の起動で、保管物が泡で汚れることを防ぐことができる。さらに、電動式フォークリフト専用の充電室を2棟分整備し、それぞれ2台ずつフォークリフトの充電が可能となっている。
なお、「古河6」の隣接地では、HAZMAT倉庫10棟で構成された「プロロジスパーク古河7」(延床面積計1万㎡)の開発を計画しており、2025年2月着工、26年2月竣工を予定している。
三和建設が危険物倉庫の市場動向を解説
当日は三和建設執行役員大阪本店次長の松本孝文氏による危険物倉庫に関するミニセミナーも開催し、危険物倉庫の建設における規制や倉庫内の構造など基本的な知識について説明。松本氏は危険物倉庫の現在の需要について、国土交通省の倉庫統計季報を参考に「国内の危険物倉庫の床面積は、2000年代と比較して2010年以降の増加ペースが激しく、21~23年は毎年約10%ずつ増えており、危険物倉庫の需要は近年特に高まっている」と説明した。
旺盛な需要の背景として「危険物保管の安全に対する企業のコンプライアンス意識が高まっている。また、メーカーの投資判断が変化しており、製造ラインに付加価値を持たせることに投資を集中し、物流面はアウトソーシングで補うという方向に変わってきたことから、物流企業が担う危険物の物量が増加したことも要因となっている」と述べた。加えて、国の施策による半導体やリチウムイオン電池の生産拡大に加え、EC市場の拡大、物流サービスの多様化により中間品などの物流についても物流事業者が手がける事例が増えたことなどから、危険物倉庫の需要が増加したとしている。
このほか、生産拡大が進むリチウムイオン電池の保管に向けた国の規制緩和の詳細や危険物保管の温度管理のニーズとその対応方法などについて解説した。
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