カーゴニュース 2024年12月24日 第5303号
JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)は13日、2025年3月15日に実施するダイヤ改正の概要について発表した。東京貨物ターミナル駅と仙台タ駅を直結するコンテナ列車を初めて設定するほか、札幌タ駅→広島タ駅間に日本海縦貫線を経由した直行ルートを設定し、コンテナ輸送のリードタイムを大幅に短縮。また、九州発着の列車を中心に深夜発ダイヤを増やし、積合せ貨物や生鮮食料品などの深夜発の輸送ニーズに応える。コンテナ列車の設定や利便性を向上させることで、「2024年問題」によるモーダルシフトへの要望に応えていく。
東京タ駅と仙台タ駅間を結ぶコンテナ列車を新設することで、東京臨海部から南東北地区への利便性を向上させる。東北向けの列車はこれまで、隅田川駅での発着が中心だったが、東京タ駅発にすることで、東京港からの輸入貨物の鉄道輸送ニーズに対応するほか、西日本から到着する貨物の連携も効率化する。ダイヤは東京タ駅8時44分発で、新座タ駅、郡山タ駅を経由して仙台タ駅に19時17分に到着する。
札幌タ駅から広島タ駅を結ぶ列車では、新たな日本海縦貫線経由の直行ルートを設定し、従来の太平洋側を経由する列車よりリードタイムを9時間12分短縮する。札幌タ駅を21時41分に出発し、3日目の早朝4時52分に広島タ駅に到着するため、3日目早朝の配送が可能になる。また、福岡タ駅→新座タ駅・宇都宮タ駅間に列車についても、福岡タ駅の出発時間を大幅に後ろ倒すことで宇都宮タ駅までのリードタイムを約6時間短縮する。
熊本貨物駅→大阪タ駅、静岡タ駅→福岡タ駅、北九州タ駅→吹田タ駅の各列車については、到着時間をほぼ変更せず、出発時間を深夜0時台~3時台に遅らせることで、積合せ貨物や生鮮食料品などのフェリー出港後の輸送ニーズを取り込む。
要望の強い地域間の輸送力を増強するため、東京タ駅→福岡タ駅間のコンテナ列車を広島タ駅行きに変更。岡山や広島エリアへの強い輸送ニーズに応える。このほか、名古屋タ駅→北九州タ駅、西浜松駅→北九州タ駅・福岡タ駅、広島タ駅→横浜羽沢駅・東京タ駅、京都貨物駅→南福井駅、南福井駅→新潟タ駅、吹田タ駅→西浜松駅でそれぞれ輸送力を新設する。
このほか、大型トラックからのシフトが容易な31ftコンテナや20ftコンテナの取り扱いを拡大する。輸送機材面では、機関車18両(EF210形式9両、EF510形式9両)、12ft用フォークリフト19台を新製する。また、ダイヤ改正を機に、ORS(オフレールステーション)として運営していた敦賀港新営業所の営業を終了する。
会見で取締役兼常務執行役員鉄道ロジスティクス本部長の小暮一寿氏は「輸送力は現行ダイヤから15個減となる2万690個(12ft用コンテナ換算)でほぼ変わらない。今年度の平均積載率は70%程度で推移しているため、まだ余力があり、鉄道利用を拡大したいニーズには十分対応可能だ」と述べた。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。