レベル4自動運転を目指す

カーゴニュース 2025年2月13日 第5315号

F―LINE/T2
自動トラックで加工食品の幹線輸送実証

関東~関西間の高速道路でレベル2運転

2025/02/12 16:00
荷主・物流子会社 DX・システム・新技術 2024年問題

 F―LINE(本社・東京都中央区、坂本次郎社長)とT2(本社・東京都千代田区、森本成城代表取締役CEO)は5日、関東~関西間でレベル2自動運転トラックによる幹線輸送の実証実験を開始すると発表した。今月27日と28日の両日にかけて加工食品の幹線輸送を実施し、実証後は結果を踏まえてさらに数回の実施を予定。加工食品の持続可能な物流と将来的なレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の実現を目指す。

 

 今回の実証では、関東と関西にあるF―LINEの物流センター間の幹線輸送で、高速道路上の一部区間をレベル2自動運転で走行する。輸送する貨物は加工食品とし、F―LINEがT2から同区間での実証実験の打診を受け、貨物量や発着地の組み合わせを考慮して決定。荷主として味の素とハウス食品グループ本社が参画する。

 

 具体的には、27日の往路では、「川崎物流センター」(川崎市川崎区)から「西宮物流センター」(兵庫県西宮市)まで、味の素の調味料を輸送。28日の復路では、「八尾物流センター」(大阪府八尾市)から「三郷物流センター」(埼玉県三郷市)までハウス食品のチューブ入りねりスパイスを輸送する。往復ともに御殿場~豊田東近辺の新東名高速道路上の一部区間(約180㎞)で自動運転を実施し、車両はT2の10tトラックを使用する。実証結果のレビューを重ねて、今後も数回の実施を予定する。

 

自動運転を持続可能な食品物流の「大きな手段」に

 

 5日に行われたオンライン説明会で、F―LINEの荒田光弘上席理事DXソリューション部長は、「自動運転による加工食品の幹線輸送は業界初の試み。貨物の状態を維持したまま輸送できるかが検証のポイントとなる」と強調。実証実験の参画理由については、「自動運転による加工食品輸送の実現が、持続可能な食品物流の大きな手段になる」としたうえで、T2のこれまでの実証結果や運送事業を自社で行う運営体制などから、可能性を感じて参画を決めたとした。また、食品メーカー6社で進めている「F―LINEロジェクト」の中の輸送効率化を図るチームと連携することで、実証実験に多くのパターンで協力できることも判断材料になったとしている。

 

 今後の課題として、最終的には完全無人で運行するレベル4自動運転の実現を見据えたうえで「今はドライバーが荷崩れ防止のために荷物の間に緩衝材を挟んでいるが、レベル4ではドライバーがいないため、発着地での積み降ろしをケアできるオペレーションの設計を進める必要がある」(荒田氏)と述べた。加えて、納品伝票や受領証の受け渡しの電子化、運行計画遅延時の対応オペレーションの確立を課題に挙げた。

 

 今後の実施計画と方向性について荒田氏は「今回はある程度荷量をセーブしているが、実証の結果に基づいて積載率を上げていく。2ヵ月おきでの実証をT2と相談している」と説明。T2が7月からレベル2自動運転による輸送サービスの開始を予定していることから、実運用に関しては、実証結果を踏まえたうえで最終判断をするとした。

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