カーゴニュース 2025年7月24日 第5358号
ブルボン(本社・新潟県柏崎市、吉田匡慶社長)、岩塚製菓(本社・新潟県長岡市、槇大介社長COO)、朝日物流(本社・新潟県村上市、髙橋正男代表取締役)、京葉流通倉庫(本社・埼玉県戸田市、箱守和之社長)、大東実業(本社・東京都板橋区、青木賢司社長)の5社は17日、25mダブル連結トラックによる共同配送を開始し、新潟県長岡市内のミトク長岡物流センターで出発式を行った。新潟~関東間でブルボンと岩塚製菓の商品を幹線輸送するもので、新潟県内での同車両による共同配送は初の取り組みとなる。「2024年問題」に伴う輸送力不足の解消やCO2排出量削減を進め、持続可能な物流の実現を目指す。
週2~3便を運行、定温輸送に対応
今回の取り組みでは、運送を担う朝日物流が新潟県内にあるブルボンの工場や岩塚製菓の拠点で、両社製品をダブル連結トラックに積載し、埼玉県内にある別々の物流拠点へと運ぶ。同区間の幹線輸送業務の一部を担い、運行スケジュールは週2~3便を計画し、増便も予定。帰り便でも菓子などの荷物を積載し、新潟へ輸送する。
今回運行を開始した車両の荷台のうち、前方の荷台は定温仕様となっており、ブルボンのチョコレート製品などの品質を維持しながら輸送できる。2台分の輸送量をドライバーひとりで運べるため、ドライバー不足への対応に寄与するほか、CO2排出量も約4割の削減を見込む。今後は他荷主との連携や他地域への水平展開も進めたい考え。
ブルボンと岩塚製菓、朝日物流は昨年11月、亀田製菓と新潟輸送、Next Logistics Japanと共同で新潟~関東間において、ダブル連結トラックのトライ運行を実施しており、今回の取り組みはこれらの実証を踏まえたもの。
「今までにない協力進める」「荷主として『運ぶ』に責任」
開会の挨拶に立った朝日物流の髙橋代表取締役は「関係各所と協議の末、先月ようやく特殊車両通行許可を取得できた。ダブル連結トラックによる共同輸送は県内初の試みとなり、物流効率化のモデルとして大きな意義を持つ。物流業界がドライバー不足という喫緊の課題に直面する中、このプロジェクトは限られた人的資源を活かし、輸送効率を最大化する新たなモーダルシフトの形を提示するものとなる」と強調した。
また、ブルボンの吉田康代表取締役会長は「ダブル連結トラックをよりよく活用するため、パッケージサイズを変更してトラックへの積載効率を最大限にするなど工夫を凝らした。物流は製造業に不可欠なものであり、輸送力低下や環境問題などの解消など社会課題に対し、複数の荷主が今までになかった協力を進めていくことで時代の要請に応えていく」と語った。
岩塚製菓の槇社長COOは「メーカーとしてもはや『作ったら終わり』という時代ではなくなってしまった。荷主として『運ぶ』という部分まで責任を持ち、配慮しながら取り組みを進めていかなければならない」と述べた。
このほか、新潟県交通政策局長の浜口信彦氏が「今回の取り組みが新たなモデルとして定着し、取り組みの輪が広がることで、物流に関わる事業者の活性化や持続可能性につながることを期待している」とコメントした。
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