カーゴニュース 2025年2月25日 第5318号
JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)は、総合物流事業の強化に本格的に乗り出す。4月1日付で全額出資子会社である日本運輸倉庫(本社・東京都中央区、野村康郎社長)の社名を「JR貨物ロジ・ソリューションズ」に変更し、同社をグループにおける総合物流事業の中核会社として位置付ける。JR貨物は「グループ長期ビジョン2030」で「鉄道を基軸とした総合物流企業グループ」を目標に掲げており、具現化に向けた取り組みにドライブをかける。
総合物流事業の中核会社に
日本運輸倉庫は1949年の設立。倉庫事業を中心に事業を展開し、とくに主要貨物駅構内や近隣で「駅ナカ倉庫」「駅チカ倉庫」を運営しており、所管面積は約28万㎡。また、仙台や東京、名古屋地区で子会社を中心に70台のトラックを保有している。24年3月期の売上高は62億円。社名変更は1月23日に開催された同社の臨時株主総会で承認された。
今後は、国内唯一である貨物鉄道輸送を提供できるJR貨物グループとしての強み活かしつつ、荷主企業に対し課題解決をトータルで提案できる物流ソリューションプロバイダーへの進化を目指す。具体的には、鉄道輸送と倉庫事業を組み合わせた提案に加え、顧客のニーズに応じてトラックや海上輸送など他の輸送モードを活用した輸送サービスも提供していく。
JR貨物は本社に総合物流部を設けているが、4月以降はJR貨物ロジ・ソリューションズ内にも総合物流部を設け、JR貨物のスタッフを出向させることでスタッフを増強し、ソリューションとオペレーションを一体化させた業務体制を確立していく。新体制に移行後もJR貨物本体の総合物流部門は存続させる。
海上輸送など他の輸送モードも提案
19日に行われた定例会見で犬飼社長は、社名変更の狙いについて「グループの総合物流事業の中核企業にふさわしい『JR貨物』ブランドを活かした社名に変更した」と説明。「これまで、JR貨物は鉄道輸送、日本運輸倉庫は倉庫をそれぞれ個別に営業していたが、今後は連携をより強化することで総合物流サービスの提案活動を活発に行っていく。また、お客様の様々な物流条件の中で仮に鉄道を利用できない場合でも、トラックや海上輸送など他の輸送モードの活用を提案していくことでモーダルコンビネーションを推進していく。そこに倉庫保管機能や他のグループ内のアセットを組み合わせることで、JR貨物全体の収益を増やしていきたい」と述べた。
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