既存物件の空室消化に時間も

カーゴニュース 2024年5月7日 第5239号

CBRE 
首都圏の大型物流施設の空室率は9・7%

福岡圏の新規供給・需要は過去最高

2024/05/07 16:48
倉庫・物流施設 物流データ・統計・調査

 CBRE(本社・東京都千代田区、辻貴史社長)はこのほど、2024年1~3月(1Q)の国内物流施設(大型マルチテナント型物流施設=LMT)の市場動向に関するレポートをまとめた。

 

 首都圏の空室率は9・7%で前期から0・4pt上昇した。新規供給は10棟/19万坪で、竣工時稼働率は5割を超えたが、新規需要14・8万坪は23年の平均を下回った。築1年以上の物件の空室率(既存空室率)も4・4%と前期の2・7%と比べ大幅に上昇し、12年1Q以来、12年ぶりの高水準となった。外縁部を中心に既存物件の空室消化に時間がかかっている。実質賃料は4500円/坪、対前期比で0・4%下落した。

 

 近畿圏の空室率は対前期比0・7pt低下の5・3%。新規供給3棟のうち2棟が満床、もう1棟も高稼働で竣工した。空室は一部の物件や郊外の一部地域に限られ、向こう2四半期に竣工予定の物件もプレリーシングが進んだことから、物件の不足感が強まった。実質賃料は4160円/坪、対前期比0・7%増と上昇した。

 

 中部圏の空室率は対前期比6・0pt上昇の16・5%だった。今期の新規供給2棟が空室を残して竣工した影響がみられる。空室は弥富市以西の湾岸部に集中しているが、内陸部や愛知県東部では需給が安定している。実質賃料は3630円/坪で対前期比横ばいだった。


 福岡圏の空室率は対前期比3・2pt低下の4・9%。新規供給4棟が満床ないし高稼働で竣工し、今期の新規供給、新規需要はともに四半期ベースで過去最高となった。実質賃料は3470円/坪、対前期比0・6%上昇した。

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