CTと直接の契約関係にはないが…

カーゴニュース 2026年7月21日 第5453号

国際物流のラストワンマイル ドレージ問題の解決に迫る!

FOCUS
国交省
コンテナターミナルは「荷主」に該当

長時間の荷待ちはGメン是正指導対象に

2026/07/17 16:00
全文公開記事 FOCUS 行政 トラック輸送 海運

 港湾のコンテナターミナル(CT)で発生している海上コンテナ車両の長時間待機について、「荷待ち」を発生しているCTの運営者は「荷主」に該当するとの見解を国土交通省が示していることがわかった。CTを運営する港湾関係事業者が長時間の荷待ちの解消を図らなければ「トラック・物流Gメン」の是正指導の対象となり、これまでに是正指導を行った実績もあるという。来年4月に施行される改正物流特殊指定では、運送事業者と直接契約関係のない「着荷主」側で発生する長時間待機も規制対象となっており、CTが「荷主」と見なされれば、その荷待ちにもメスが入る可能性がある。

 

CT運営事業者の改善施策が十分でない?

 

 東京港をはじめ主要港のCTでは海上コンテナ車両の慢性的な待機が発生しているケースがあり、ターミナルによっては5~6時間もの長時間におよぶこともある。海上コンテナを輸送するドレージ会社が、輸送の発注者である海貨業者に「待機料」を請求し、一部では荷主に転嫁する動きも出てきた。

 

 長時間待機の発生は船の遅れをはじめ複雑な要因が絡んでいたり、システム障害など突発的な要因もあるが、根本的な解決に至っていないのは、CT運営事業者の改善施策が十分でないとの見方もある。また、ドレージ会社にとってCTはコンテナの搬出入先ではあるが、直接契約関係にはないため、待機料を請求することはできない。

 

 コンテナをドレージ会社から受け取ったり、ドレージ会社に引き渡しを行うCTは「荷主」に該当するのか――。こんな疑問がドレージ会社からは寄せられている。主に「着荷主」を指す改正物流効率化法における「第二種荷主」は「貨物」を受け取る事業者であるかが判断基準となっているが、運ぶ物が「コンテナ」であることや、CTは国際物流における発着点でなく、中継点であることなどから解釈が定かでなかった。

 

港湾関係事業者に対し是正指導実績も

 

 国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課の担当者は、CTでの長時間待機について、「貨物自動車運送事業者が運送する貨物の受け渡しにおいて、集貨・配達を行う場所やその周辺の場所にて、荷主の責に起因する長時間の荷待ちが生じているのであれば、当該待機時間は長時間の『荷待ち』に該当すると考えている」と話す。

 

 また、ドレージ会社がコンテナの引き取り・搬入を行うCTについて「貨物自動車運送事業者が運送契約に基づき運送する貨物を当該貨物自動車運送事業者から受け取る者であって、他人のために当該貨物を受け取るものまたは引き渡すものである場合、貨物自動車運送事業法に基づく荷主に該当する」と指摘する。

 

 特定のCTで長時間待機が発生している場合、ドレージ会社は「荷主の責に起因する長時間の荷待ちに関する情報」として、国交省ホームページの「荷主等の違反原因行為・無許可経営等原因行為の通報窓口(目安箱)」や所管運輸支局等(トラック・物流Gメン)へ情報を提供することができる。なお、これまでにもCT運営事業者等の港湾関係事業者に対して是正指導を行った実績もあるという。

 

 CTだけでなく、コンテナの返却先であるバンプールも「着荷主」と見なされる可能性が高い。バンプールにおける長時間待機が問題になっているケースもある。国交省担当者は「長時間待機は貨物自動車運送事業者の労働環境に影響を与える大きな一因であるため、長時間の荷待ちを生じさせないよう、CT運営事業者をはじめとする関係者の理解と協力が必要不可欠」と強調する。

 

 一方、待機料については「契約の当事者でない場合は、CT運営事業者から徴収するのは難しい」との見方を示す。待機料については、直接の発注者である海貨業者、さらには荷主に転嫁することが想定される。「海上コンテナ運送においては関係者が多いことから関係者全体で貨物自動車運送事業者の長時間荷待ちを重要な課題としてとらえ、長時間荷待ちの改善に取り組むことが必要」とし、港湾局等と連携も図る姿勢だ。

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