カーゴニュース 2025年4月15日 第5331号

国交省/経産省
物流改正法、「CLO」の業務内容が明らかに

関係部署間の調整、社外との連携・協力も

2025/04/14 17:00
行政 効率化・改善 2024年問題

 物流改正法(改正貨物自動車運送事業法と改正物流総合効率化法)で、来年4月から大手荷主に選任が義務付けられる「物流統括管理者(CLO)」について、その業務内容の概要が明らかになった。CLOを荷主企業の「事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者」と規定したうえで、安定的で持続的な物流の確保・維持に関する業務全般を統括管理する立場と位置付けた。CLOを選任しない企業には最大100万円の罰金を、選任の届出を怠った場合は20万円以下の過料を科すことも規定した。

 

「重要な経営判断を行う役員等の経営幹部」が就任

 

 国土交通省と経済産業省がこのほど発表した。

 

 来年4月に施行する物流改正法の規制的措置では、国が一定規模以上の荷主・物流事業者について「特定荷主」「特定連鎖化事業者」「特定倉庫業者」「特定貨物自動車運送事業者等」を指定し、中長期計画の作成と定期報告の提出を命じる。このうち、特定荷主と特定連鎖化事業者(フランチャイズチェーン本部)には、CLOを選任する義務を課す。

 

 荷主・連鎖化事業者は、自社が取り扱う貨物重量が年間9万t以上の荷主・連鎖化事業者は、所管する官庁に届出を行い、それぞれ特定荷主、特定連鎖化事業者の指定を受ける。指定後は、速やかにCLOを選任・登録する。特定荷主に指定された事業者は1人のみを選任することし、ホールディングスやグループ企業などからの選任は行えない。

 

 CLOは、中長期計画の策定に関して統括管理し、定期報告の作成に責任を負う。輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報といった物流の各機能を改善することに加え、調達・生産・販売などの分野を統合し、物流全体を効率化する役割を担う。関係部署間の調整だけでなく、取引先など社外に対しても自社を代表して連携・協力を推進するなど、社内の物流部門を超えた業務に関わる必要も生じる。

 

 CLOは「重要な経営判断を行う役員等の経営幹部」が就任することを定めた。大手荷主は原料・素材を調達する場面では着荷主となることから「サプライチェーンとデマンドチェーンの双方にまたがった物流改善が重要。自社単独での改善には限界があるため、取引先企業のCLOと交渉し、全体最適の観点から改善に取り組む必要がある」(行政関係者)。

 

中長期計画の提出は26年10月末までに

 

 中長期計画は毎年度提出することを原則とするが、計画内容に変更がなければ5年に1度の提出を認める。計画書には、①「積載効率の向上等」「荷待ち時間の短縮」「荷役等時間の短縮」など実施する措置②実施する措置の具体的な内容・目標③実施時期――などを記載。初施行となる26年度は初年度のため、特例として26年10月末を提出期限とする。また、定期報告は改善事業の翌年度7月末までに提出する。

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