髙橋社長

カーゴニュース 2025年11月27日 第5391号

物流業界でM&Aが活発化 成長戦略の有力な選択肢に

協和運輸倉庫
輸配送網強化へ茨城県の運送会社をグループ化

関東エリアでの事業拡大の足掛かりに

2025/11/27 06:00
全文公開記事 トラック輸送 倉庫・物流施設 M&A

 協和運輸倉庫(本社・仙台市宮城野区、髙橋大輔社長)では、輸配送ネットワークの拡充を図るため、近年、運送会社のM&Aを積極的に進めている。今年3月には茨城県を本拠とする古室運送をグループ化。東北への玄関口でもある茨城県は、主要製造業が立地し、道路網も充実しており、同県に拠点を構えることで関東エリアでの事業拡大の足掛かりにしたい考えだ。

 

東北の人口減に危機感、北関東への展開模索

 

 協和運輸倉庫では、宮城県11ヵ所、岩手県1ヵ所の計12ヵ所の倉庫を展開。仙台空港、仙台港、貨物駅といった主要物流インフラ近隣や、ICおよび主要道路とのアクセス性に優れた立地に拠点を整備することで、東北一円から関東エリアまでをカバーする広域ネットワークを構築している。

 

 髙橋社長がかねてより危機感を抱いているのが、東北エリアの人口減少だ。東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)の24年の人口は約820万人で、23年から約10万人減少。10年前と比べると約80万人の減少幅となり、「人口の減少と連動し、物量は緩やかに減っていくことが予想される」と指摘する。

 

 足元では、「2024年問題」を受け東北エリアでも、輸送距離を短縮するために物流拠点を増設する動きがあるものの、毎年10万人のペースで人口が減っていくようであれば、物流への影響は避けられない。そこで、同社の柱のひとつである輸配送事業において、東北とエリア的に近い北関東への展開を模索していた。

宮城県・岩手県に倉庫を展開(写真は仙台LCC)

茨城県を中心とした関東エリアで輸配送網強化

 

 3月27日付で、後継者難の課題を抱えていた古室運送をグループ化。同社は1994年の設立で、茨城県に筑西営業所(茨城県筑西市)と上野原営業所(同桜川市)の2拠点を有し、資本金は1800万円。一般貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集運搬業を手掛ける。従業員は30人で、大型車、中型車、冷蔵冷凍車、ゲート車など32台を保有する。

 

 筑西営業所は住宅資材の全国への輸配送を担っており、上野原営業所は食品スーパーへの配送業務がメイン。グループ入りに伴い、髙橋社長が代表取締役に就任するとともに、本社機能と管理部門を協和運輸倉庫の本社のある仙台市宮城野区に移管。2つの営業所は業務に集中できる体制とした。

 

 協和運輸倉庫では得意とする菓子、食品の共同配送など東北エリアでの強固な事業基盤に加え、古室運送のグループ化により関東エリアでの展開に弾みをつける。「茨城県と隣接する福島県、栃木県、埼玉県、千葉県を合わせた人口は約2001万人。東北6県の2・4倍に相当し、それだけマーケットが大きい」と見る。

茨城県に2ヵ所の営業所を持つ古室運送

ドレージ、ユニックなど輸配送メニュー充実

 

 協和運輸倉庫は21年には宮城県内の宗運をグループ化。同社は住宅メーカーとの取引のほか、タイヤメーカーの原料輸送に携わっており、保有台数はトラクタを含む30台。従来からタイヤメーカーの製品輸送を行っていた協和運輸倉庫とのシナジーが期待できるほか、宗運を通じ海上コンテナドレージの案件にも対応できるようになった。

 

 22年には協力会社であった宮城県内のトーブサービスをグループ化。オーナーが高齢で後継者が不在であったため、協和運輸倉庫グループ入りを決めたもの。トーブサービスの保有台数は10台でユニック車がメイン。ユニック車は全国的に不足していることもあり、現場納入などで豊富な実績を持つ同社への期待は大きい。

 

 子会社の協和物流と21年以降グループ入りした運送会社3社を合わせて、グループとしての車両台数は124台体制となった。将来的に、ドライバー不足等による輸送力の縮小が予想され、運賃が上昇基調にある中で、M&Aも含めて自社で運べる体制を強化することは、「生き残っていくことにつながる」と見る。

宗運はトラクタを保有
トーブサービスはユニック車がメイン

一人ひとりと対話、不安を取り除くことに注力

 

 髙橋社長はM&Aを行った運送会社3社の代表取締役を兼務する。M&Aに際しては、「相手の会社の社員一人ひとりと対話し、不安を取り除くことに注力した。その会社が長い時間をかけて社員との間に築いてきた信頼があり、少しずつ当社のカラーを重ねていきたいという思いで向き合っている」と話す。

 

 3社を加えたグループとしての従業員数は現在280人。「将来にわたって社員とその家族が生活できるようにすることが、経営者としての責任。本拠を置く東北エリアが重要であることに変わりはないが、人口が多く、よりマーケットの大きい関東で事業を拡大していくことが会社として必要なことだと考えている」。

 

 今後も地元の宮城県のほか、関東エリアで運送会社のM&Aを積極的に検討していく方針。雇用や事業拡大の「時間を短縮する」という点でもM&Aは有効で、「当社がまだ手掛けていなかった業務や新たなお客様との取引につながる可能性があり、これからも身の丈に合った形で進めていきたい」と語った。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ プロテクティブスニーカー協会 A-TRUCK yss 関西物流展 国土交通省 白ナンバーに有償で運送委託していませんか? 富士物流のホームページにニュースを提供中!! 日通NECロジスティクス提供 物流用語集