カーゴニュース 2025年10月28日 第5382号
21日に発足した高市早苗内閣の国土交通大臣に自由民主党の金子恭之衆議院議員(熊本4区)が就任した。金子新大臣は22日、国土交通省内で就任会見を開き「国民の命と暮らしを守り、我が国の経済成長や地域の生活・なりわいを支える国交省の任務に全力を尽くしていく」と就任の抱負を述べ、「新内閣の喫緊の課題として経済対策や物価高対策に取り組む必要がある。国土交通行政を取り巻く政策課題と合わせて着実に施策を前に進めていく」と表明した。
国交大臣は2009年9月から12年12月まで民主党、それ以降は25年10月まで公明党の議員が務めており、自民党が国交大臣に就任したのは09年に退任した金子一義大臣(麻生内閣)以来16年ぶりとなる。
地方交通網・物流インフラ整備を推進
就任にあたり高市首相から、災害に強い地域づくりや老朽化するインフラ対策の加速化など防災・減災・国土強靭化のための取り組みを推進し、地方を含めた交通網と物流インフラの整備、観光振興による地域の活性化やオーバーツーリズム対策などの推進を図るよう指示を受けた。「国土交通行政は、社会資本整備や交通政策、観光政策、海上保安など所管する範囲が広く、どの課題も国民の命と暮らしを守ることに直結している。しっかりと職責を全うしていく」と決意を述べた。
31年度の経営自立を目指すJR北海道への国の支援に関して「まずはJR北海道が経営改善を深度化し加速することが重要だ。そのうえで必要な支援を国がどのように行えるかを検討していく」と述べ、同社が掲げる経営改善の取り組みの着実な実施を求めた。
また、就任以前13年近く国交大臣が公明党のポストだったことについて「公明党の大臣が行ってきたことをしっかり受け継ぎ、道半ばのことも含めて着実に前へ進めていきたい」と語った。
金子新大臣は1961年生まれ、熊本県球磨郡深田村(現あさぎり町)出身。早稲田大学商学部卒業後、国会議員秘書を経て2000年に衆議院議員に初当選。民主党政権前の08年から翌年まで国交副大臣、自民党の政権復帰後は衆院国土交通委員長、同委員会筆頭理事などを務めた。21年10月から22年8月までは岸田内閣の総務大臣。国の統計を所管する総務大臣の立場から斉藤鉄夫国交大臣と連携して国交省の統計不正問題に対応した。前任者の中野洋昌国交大臣(公明党)とは、ともに衆院国土交通委員会に所属。金子氏が筆頭理事を務め、中野氏が次席理事として政策審議に関わってきた。金子氏は「大臣として再び国土交通行政に携わることになった。ご縁を感じる」と述べた。
新大臣として中野前大臣から事務引き継ぎを受けた金子氏は「責任を持って国土交通行政を引き継いでいく」と語り、中野氏は「金子新大臣とは国会でともに政策に関わってきた。経験豊富で信頼できる方に引き継いでいただいたことは喜ばしい」と激励した。
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