カーゴニュース 2025年5月8日 第5336号
南海電気鉄道(本社・大阪市浪速区、岡嶋信行社長)と東京流通センター(TRC、東京都大田区、有森鉄治社長)は1日、業務提携契約を結んだ。両社はそれぞれの物流施設の強みを活かしながら、効率的かつ持続的な物流の実現に向け、自動運転トラックなどの次世代モビリティの実用化や、トラック輸送と貨物鉄道輸送が連携したモーダルコンビネーションによる東京~大阪間の幹線輸送ルート構築を協働して推進。物流を支える新たな社会インフラの構築を図り、物流業界の課題解決を目指す。
南海電鉄の所有する「東大阪流通センター」(大阪府東大阪市)と「北大阪流通センター」(大阪府茨木市)とTRCは、高度経済成長期における人口や自動車の増加などにより生じた流通機能や都市機能の低下という社会課題を解決するため、それぞれ関西圏と関東圏の交通要衝地に一大流通拠点として整備され、国内の物流機能を支えてきた。近年、トラックドライバー不足などを要因として、安定的で持続的な物流の確保が喫緊の課題として浮上したことを受け、両社は物流課題への認識とともに強靭な物流インフラの構築へのビジョンを共有していることを確認し、業務提携に至った。
南海電鉄上席執行役員不動産事業本部長の西原啓介氏は「北大阪流通センター」の再開発について「公共性の高いトラックターミナル機能を堅持しつつ、配送センターなどの物流施設を集積し、関西圏でトップクラスの物流施設とする」と説明したうえで「今回の業務提携でTRCの物流施設との幹線輸送経路を構築することで、大阪における自動運転トラックなど次世代モビリティの拠点とすることもでき、東大阪・北大阪流通センターのポテンシャルはさらに増すと考えている」と述べ、両者の業務提携を通じ、物流を支える社会インフラ機能を実現していく方針を掲げた。
TRC常務取締役の吉竹宏樹氏は「南海電鉄の流通センターと連携し、幹線輸送経路を構築することで、より大きなスケールと実効性をもって物流効率化を目指すことができる」と述べ、自動運転トラックやダブル連結トラック等の次世代モビリティの活用や、貨物鉄道輸送との連携を促進する考えを示した。そのうえで「自動運転トラックはドライバー不足という社会課題を解決するだけでなく、今後の物流のあり方に大きく変革を起こす技術だと認識している。南海鉄道との業務提携により高速道路上だけでなく一般道を含めた自動運転トラック輸送の実現を目指す」と意欲を語った。
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