カーゴニュース 2025年5月13日 第5337号
労働安全衛生規則の一部改正により6月1日から、職場での熱中症対策が強化される。熱中症の重篤化を防止するため 「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられる。「WBGT28度以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業が対象で、屋外ヤードや倉庫などの物流現場でも対応が必要になりそうだ。2020~24年の業種別の熱中症の死傷者数をみると、「運送業」は「建設業」「製造業」に次いで多く、全体の14%を占め、各種熱中症対策サービス・アイテムに注目が集まる。
高解像度で危険度と週間予報を確認
ウェザーニューズは4月23日から、今年も熱中症対策を支援する各種サービスを開始した。お天気アプリ「ウェザーニュース」では、気象庁と環境省で運用が開始された熱中症警戒アラートをプッシュ通知で受け取ることができる。「熱中症情報」では1㎞メッシュの高解像度で48時間先まで1時間ごとの熱中症危険度と週間予報を確認可能。さらに熱中症リスクを詳細に把握したい場合には、現場の暑さ指数を1分ごとに算出する高性能気象IoTセンサー「ソラテナPro」も有効だ。「ウェザーニュース」アプリで熱中症予報とあわせて確認でき、利用者の基準を超えた場合はプッシュ通知やメールで一斉に周知する。
体調変化の兆しを手首でシンプルに検知
ミツフジは4月24日から、猛暑環境下で働く作業者の猛暑リスクを可視化する、リストバンド型ウェアラブルデバイスhamon bandシリーズの最新モデル「hamon band S(ハモンバンドエス)」を販売開始。着用者の脈波から深部体温の上昇および下降変化をリアルタイムに推定・可視化できる独自アルゴリズム(特許取得済)を搭載し、本人が気づきにくい体調変化の兆しを、手首でシンプルに検知。LEDの3色表示とバイブレーションによるリスク通知に加えて、新たに音によるアラート機能を搭載し、現場での視認性・即時性を強化。すでに建設・製造・運輸業界を中心に4万本の導入が決定している。
市販のペット飲料からアイススラリー生成
シャープは5月22日から、市販のペットボトル飲料から簡単にシャーベット状態のアイススラリーを生成できる「アイススラリー冷蔵庫」の法人向けレンタルサービスを開始する。アイススラリーを摂取すると、微細な氷がとける際に熱を奪い、体を芯から冷やすことができる。独自のファン制御と風路構造により、庫内の温度をきめ細かく制御し、温度ムラを抑制。飲料を取り出して、ボトルを振るなどして衝撃を与えることで、簡単にアイススラリー化できる。9段階での細かな温度設定機能を搭載し、スポーツドリンクや果汁飲料、コーヒー飲料など様々な飲料に対応している。
ファン付き作業服が防爆エリアに対応
ミドリ安全では、国内初となる防爆エリアに対応したファン付き作業服「クールファンEP」を販売している。ファン付き作業服は爆発や火災リスクの高い防爆エリアでは、検定機関で認定された防爆検定品でなければ使用できないが、産業安全技術協会の検定審査に合格した「クールファンEP」は、気化熱を利用した従来品「クールファン」の快適性を維持しつつ、防爆エリアでも使用可能な製品としてリニューアル。クールファンEPは連続4時間(バッテリー式)の使用が可能であり、暑熱環境でも快適に作業できる。ゾーン1(第1類危険箇所)、ゾーン2(第2類危険箇所)での使用が可能となっている。
手軽に塩分補給ができるゼリーを増産
三和建設と岩瀬コスファは熱中症予防を目的として手軽に塩分補給ができるゼリー「ゼネコンがつくったしおゼリー」を4月21日から販売開始した。今年の生産計画は150万本、昨年度の約1・9倍となる見込み。昨年までは生産体制の都合により、夏場には一部の味が品切れが発生したが、今年からはGMP認定工場へと生産拠点を移したことで、より安心・安全な品質管理のもと、安定した供給と増産が可能となった。ゼリーの成分はBCAA、マルチビタミン、マルチミネラル、茶花エキスで、糖尿病のため糖類の塩分補給ゼリー等を避けたい人もこのしおゼリーは糖質が少ないため食べられるという。
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