カーゴニュース 2025年5月15日 第5338号
交通エコロジー・モビリティ財団(エコモ財団、岩村敬会長)はこのほど、「グリーン経営認証取得による効果2023年版」を公表した。エコモ財団では、グリーン経営認証制度による環境負荷低減の実効性を定量的に評価するため、認証取得による具体的効果を分析し、公表している。今回は、23年に実施した新規申請時や初回の定期審査・更新審査時のチェックリストおよびアンケートをもとに分析した。
認証取得前後2年間の車両の平均燃費は、車両総重量8t以上のトラックが3・0%、同8t未満のトラックが3・1%、バスが2・4%、タクシーが1・6%、それぞれ改善した。トラックの平均燃費に関しては、すべての車種において全国平均(経済産業省告示)を上回った(図1)。また、認証取得年数による燃費改善率の違いが鮮明となり、取得年数5年の事業者の改善率が4%台であるのに対し、15年の事業者の改善率は7%台まで向上するなど、年数が長いほど改善度合いが大きくなる傾向がみられた(図2)。
認証取得前後1年間の交通事故件数は、トラックが25・9%、バスが20・5%、タクシーが7・0%、それぞれ減少し、取得前後1年間の車両故障件数もトラックが20・9%、バスが4・0%、タクシーが15・9%減少するなど、環境や安全、経費削減の面で一定の効果がみられた。
倉庫、港湾運送、旅客船、内航海運におけるCO2排出原単位は、認証取得前後2年間で、普通倉庫が所管面積あたり3・7%、冷蔵倉庫が設備トン数あたり3・3%、港湾運送が取扱トン数あたりで5・9%、取扱コンテナ数量あたりで11・0%、旅客船が距離キロ数あたり3・3%、内航船が距離キロ数あたり4・4%、曳船が航行時間あたり1・3%、それぞれ削減となった。
認証取得によるメリットについて聞いたアンケートでも、「燃費の向上」や「電気/燃料使用量削減」を実感する声が全業種で半数を超えるなど、認証取得による改善効果を実感している様子がうかがえた。また、「職場モラルの向上」と答えた事業者は全業種で70%を超え、とくに倉庫・港湾運送、旅客船、内航海運では80%以上に達するなど、職場環境の改善につながっていることがわかった。このほかトラック事業者からは「車両故障件数の減少」「交通事故件数の減少」「お客様からの評価向上/取引上の優遇」などの回答が多く寄せられた。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。