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カーゴニュース 2025年5月15日 第5338号

FOCUS
物流各社、「特定技能」ドライバーの戦力化へ

人手不足の物流業界で救世主となるか

2025/05/14 17:00
全文公開記事 FOCUS 人材・働き方・賃金

 昨年3月29日に「自動車運送業分野」が特定技能制度の対象に追加され1年が経過し、物流業界で特定技能ドライバーの採用の動きが本格化してきた。日本商工会議所の調査によると、「運輸業」の約8割が人手不足を感じており、約5割が外国人材の受け入れに前向きな姿勢を示している。深刻化する人手不足の緩和へ、外国人材も含めた担い手の拡充と多様化に期待が集まっている。

 

「特定技能1号」のドライバーデビューへ

 

 物流大手は特定技能ドライバーの戦力化に動く。センコーグループホールディングスでは、2032年度までに特定技能資格外国人ドライバーを100人採用する計画を打ち出している。福山通運は、ベトナムにおけるドライバー育成プロジェクトを設立。20歳前後のベトナム人の若者を対象に大型免許取得支援を行い、ドライバーとしての育成プログラムを実施する。

 

 アサヒロジスティクスは、「特定技能1号評価試験」に合格した中国籍大学生をトラックドライバーとして採用。自動車運送業分野における「特定技能1号」の在留資格について3月28日に国内初の許可を受けたことにより、特定技能外国人トラックドライバーの第1号が誕生した。

 

 岡崎通運では、モンゴル国籍の社員が3月18日に平針運転免許試験場で「外国免許切替」実技試験に合格。自動車運送業分野の「特定技能1号」在留資格の申請要件を満たした。同社は引き続き外国人労働者の受け入れと育成に注力し多様な人材が活躍できる職場環境整備を進めていく。

 

企業と外国人材のマッチングサービス登場

 

 特定技能ドライバー関連の支援ビジネスも活況だ。ダイセーグループでシステム開発を行うベトナムDaisei VEHO WORKSはこのほど、特定技能制度を活用しながら、国内外の外国人ドライバー・整備士・倉庫作業員と物流企業をマッチングするサービス「DriveeLink(ドライビーリンク)」の提供を開始した。

 

 ベトナムの人材派遣会社や駐日大使館と連携し、まずはベトナム人材のマッチングからスタート。採用する物流企業側が、募集人数、仕事内容、求める日本語レベル、想定年収などの求人情報を登録すると、送り出し機関と情報を共有し、企業の要件に適した人材を紹介。物流に特化した専門教育も含めて採用を支援する。

 

 X Mileはバングラデシュ人材に特化した人材支援総合サービスを展開するアドセックと特定技能外国人の受け入れに関するパートナー契約を締結。日本ロジソリューションズは、外国人ドライバーの育成・紹介を手がけるTDGホールディングスと業務提携した。日本ロジソリューションズはアジア5ヵ国にある技能実習生・特定技能者の送り出し機関と、TDGHD傘下のベトナムの自動車学校を活用することで、外国人トラックドライバーの育成から紹介までを行う。

 

 全日本トラック協会も会員の外国人材活用をサポートするため、自動車運送業分野特定技能1号評価試験 (トラック)に係る学習用テキストを作成した。日本語版に続き、テキストの多言語化(英語・ベトナム語)を図った。また、「自動車運送業分野トラック区分における特定技能外国人受け入れの手引き」をホームページで公開している。

全ト協は学習用テキストを作成(ベトナム語版)
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