系統用蓄電池(イメージ)

カーゴニュース 2025年8月28日 第5366号

ズームアップ
倉庫の空き地に系統用蓄電池

新たな収益源として期待

2025/08/27 17:00
全文公開記事 倉庫・物流施設 環境・CSR

 再生可能エネルギーの導入が拡大する中、出力変動に応じて柔軟に充電、放電が可能な調整機能を果たすことから蓄電池が注目されている。インテレクト(本社・東京都中央区、金丸直幹社長)は、系統(送配電網)に直接接続して、電気の蓄電や放電を通じた売電が可能な系統用蓄電池の導入をトータルで支援。物流・不動産コンサルティングのドライブデマンド(本社・東京都目黒区、杉山実CEO)と連携し、倉庫会社の敷地内の空き地に系統用蓄電池を設置することで、太陽光発電に並ぶ新たな収益源とすることを提案している。

 

再エネ設備の導入を一気通貫でサポート

 

 インテレクトは太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業を展開。併せて不動産事業や建設事業も手掛けることで、太陽光発電や蓄電池など再エネ関連設備の設置を、企画開発から管理運用まで一気通貫で支援する体制を整えている。大分県では温泉を活用した地熱バイナリー発電の開発も行い、地域振興にも貢献。また、天文施設コンサルティング事業も展開し、東京大学の発注を受け、現在チリのチャナントール山に世界最高標高の望遠鏡を建設するプロジェクトを進めている。

 

 近年、地球温暖化や環境問題に対する関心が高まる中、再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいる。一方で、太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって供給量が大きく変動するという課題を抱えている。蓄電池と組み合わせることで、発電した電力を溜めておけるため、効率的に再生エネルギーを活用でき、政府も蓄電池の導入を後押ししている。

 

余剰電力を有効活用、再エネ導入拡大を後押し

 

 インテレクトではこれまで、企業が保有する遊休地に系統用蓄電池の設置を提案してきた。系統用蓄電池は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによって生じる余剰電力を蓄え、発電量が少ない時間帯に放出することで、安定した電力供給を実現。また、電力市場を通じた取引により、日中の電力価格が安い時間帯に購入した電力を夕方などの価格が高い時間帯に売ることで、利益を得ることも可能となっている。

 

 系統用蓄電池の設置には、少なくとも約200坪の敷地が必要であり、設置工事の際にはさらにクレーン車などを置くための作業スペースも確保しなければならない。そうした条件を勘案し、設置に適しているのが、“倉庫”だ。倉庫はトラックが出入りするため、もともと搬入経路が備わっており、設置にかかわる制約が少ない駐車場などの空きスペースを有効活用することで、系統用蓄電池事業を太陽光発電に並ぶ新たな収益源とすることが期待できる。

 

 倉庫会社が系統用電池を設置する際には、インテレクトが企画開発から運用までをトータルで支援。まず、法律や条例、搬入路などを踏まえた用地の選定、導入計画の作成を実施。その後、事前相談を経て、系統への接続が可能かを検討し、接続が可能な場合、機器の調達と設置工事を行う。蓄電所の運用と蓄電電力の売買を担うアグリゲーターの紹介も行い、運転開始後のメンテナンスもインテレクトが請け負う。なお、市街化調整区域では所定の条件を満たさなければ設置できない。

系統用蓄電池の導入フロー

 インテレクト営業部担当部長の伊藤達雄氏は「系統用蓄電池を設置することで、再生可能エネルギー発電の余剰電力を有効活用できるようになる。また、再エネ導入に不可欠な調整力を確保することで、再生可能エネルギーそのものの導入拡大を後押しする効果もある」と脱炭素社会の実現に向けた効果を説明。加えて、「企業の環境対策へのイメージ、社会的評価の向上なども期待できる」と系統用蓄電池事業に参加する社会的意義を強調した。

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