カーゴニュース 2026年2月3日 第5407号
国土交通省の石原大物流・自動車局長(写真)は1月29日、専門紙記者会見を開き、軽油引取税の暫定税率が4月から廃止されることに伴い、荷主や元請事業者がトラック事業者に対し運賃引き下げを要請することは「トラック運送業の価格転嫁が進んでいない状況や、1月1日から施行された取適法(旧下請法)の適用対象にトラック運送契約が含まれたことを踏まえると適切であるとは言えない」とし、燃料価格の下落を理由とした運賃引き下げ要請を行わないよう求めた。
適正取引要請でトラック業界から「感謝の声」
石原氏は「昨年参議院で暫定税率の廃止法が成立し、軽油引取税の暫定税率は4月1日に廃止されることとなった。軽油価格の下落が想定されるが、荷主や元請事業がそれを契機として、他のコスト上昇分を考慮せず、燃料価格の下落のみをもって一方的に運賃の引き下げを行うことや、燃料価格の下落を理由に価格交渉に応じることなく一方的に運賃を決めることは取適法に違反するおそれがある」と説明。取引環境の適正化を図る考えから「昨年12月22日に国交省、公正取引委員会、中小企業庁の3省庁連名により、荷主団体と全日本トラック協会などに適正取引の徹底を要請する文書を発出した。トラック業界の一部からは感謝の声も聞いている」と述べた。
石原氏は「トラック事業者は価格交渉において他業種と比較して価格転嫁が進んでいない。ドライバーの賃上げの原資を確保する観点からすれば、荷主・元請が暫定税率の廃止によるコスト減を理由に運賃の引き下げを要請することは適切ではない」と強調した。
また、軽油引取税の暫定税率と紐づいていた運輸事業振興助成交付金について「交付金制度存続のための法案は、この度の衆議院解散によって廃案となったものの、各党が合意した議員立法であったことから、次期国会で同様に提出されるものと考えている。環境対策、安全運行、適正な輸送サービスの提供などの観点から、交付金制度の存続が重要だ」と述べた。
荷主対策で公取委・中企庁との連携強化
石原氏は、昨年10、11月の2ヵ月間、トラック・物流Gメンによる「集中監視月間」として、荷主・元請に対して違反原因の是正指導を実施したことについて「公取委とも連携し、全国規模で是正指導を実施した。是正に向けた『働きかけ』を363件、『要請』を7件実施した。また、改善要請を行ったにもかかわらず改善されなかった着荷主に対し『勧告・公表』を1件行った」と報告。「今後も公取委、中企庁と密接に連携しながら、荷主・元請への是正指導を行っていく。取適法の執行状況など情報を共有する連絡会議を設置し1月28日に初開催した。会議は半年に1回程度で継続して開催するが、現場レベルで日常的に連携を強化しており、3省庁でしっかりと取り組んでいく」と語った。
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