カーゴニュース 2024年5月21日 第5243号

4月の道路貨物運送業の倒産は30件

1~4月は「後継者難倒産」が3倍に

2024/05/21 09:00
トラック輸送 物流データ・統計・調査

 東京商工リサーチによると、4月の道路貨物運送業倒産は、前年同月比約2・1倍の30件で2ヵ月連続前年同月を上回った。前年同月に一時的に倒産件数が落ち込んだこともあり、件数は前年同月から倍増した。

 

 負債総額は36億5400万円(約2・3倍)で、2 ヵ月ぶりに前年同月を上回った。件数の増加に加え、前年同月に発生がなかった負債5億円以上10億円未満の倒産が2件発生し、負債総額を押し上げた。

 

 24年1~4月の累計倒産件数は116件(前年同期比39・7%増)に達した。同期間では14年(108件)以来、10年ぶりに100件台に乗せ、11年以降の最多を更新した。

 

 このうち、「後継者難」倒産が10件前年同期比で3倍以上に増えた。人手不足の中、代表者やドライバーの高齢化も進み、後継者の育成がままならない企業が増加している。また、「2024年問題」を背景に拍車がかかる「人件費高騰」による倒産も5件(前年同期は3件)と増加した。燃料費の高騰による「物価高」関連倒産は1~4月累計で52件と前年の2倍のペースで増加。23年6月以降は、24年1 月(9件)を除き、2ケタ台で推移して
いる。資源エネルギー庁が公表する軽油小売価格は、24年4月30日時点で154・4円/ℓと、依然として高止まりの状況が続く。

 

 東京商工リサーチでは、「人件費や燃料費など、あらゆるコストの上昇が運送業者の収益を圧迫している。下請企業が多く、価格転嫁が難しいことなどから、採算が悪化した企業を中心に、今後も倒産の増勢が続く懸念が高い」としている。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。