カーゴニュース 2026年6月23日 第5445号
セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市、田口義隆社長)とAZ―COM丸和ホールディングス(本社・埼玉県吉川市、和佐見勝社長)は18日、東京都内で記者会見し、両社の社長が4月に発表した業務提携の進捗状況などを説明した。そのなかでセイノーHDの田口社長は、提携の実効性を高めることを狙いに、AZ―COM丸和の和佐見社長が西濃運輸の会長に就任することを明らかにした。取締役ではない非常勤の会長として、7月中に就任する方向で調整している。3PLやラストワンマイルなどの各分野で協業を進め、早期に成果を出すことを目指す。
和佐見氏の会長招聘、
「同じ船に乗っている」
両社は4月22日に物流ネットワークの連携を目的とした業務提携に関する基本合意書を締結。5月以降、3PLやラストワンマイル、ミドルマイルなど領域ごとの分科会を順次立ち上げ、協業の具体化に向けた検討をスタートさせている。
会見で田口氏は提携の意義について、人口減少が進む中、物流企業としての社会的使命を果たすには、個社単独の取り組みだけでは限界があると説明。マツモトキヨシ向けの3PL事業で「在庫ゼロ」「ノー検品」「納品率100%」を実現しているAZ―COM丸和の高い3PLノウハウと、セイノーグループのアセットや輸配送ネットワークを組み合わせることで、国力向上にもつながる物流の実現が可能になるとの見解を示した。
また、「提携を形だけのものにしない」ため、和佐見氏をセイノーグループの中核企業である西濃運輸の会長に招聘する。利益相反などを避けるため、取締役には就かないものの、「同じ船に乗っていると感じられる意義は大きい」(田口氏)として、提携の実効性に大きく寄与すると強調した。
和佐見氏は、西濃運輸の会長就任について「最初は固辞したが、私自身が西濃運輸の創業者である田口利八氏を目標に物流業を歩んできた経緯もあり、最終的に引き受けた」と述べるとともに、「提携の成果を出すためにはコミュニケーションを密にする必要がある。田口義隆社長とは一心同体であるとの意識のもとで成果を出していきたい」と語った。
資本提携に進む可能性については、両社長とも否定した。田口氏は「必要があれば将来的に考えるかもしれないが、現時点では全く考えていない」と明言し、「まずは提携の中身をしっかり詰め、協業効果を最大化してくことに努めていく」とした。
3PLノウハウ、
メーカーなど川上にも展開
提携領域は多岐にわたることを想定しているが、「倉庫施設の相互活用」「顧客への3PL共同提案」「幹線便・路線便、ルート配送、貸切便の相互活用」などを軸に検討を深めていく。会見に同席したセイノーHDの神谷敏郎専務執行役員は「まずは3PLとラストワンマイルでの協業が中心になる」と説明。3PLでは、小売など川下領域を得意としているAZ―COM丸和の高い事業ノウハウを、セイノーグループの顧客であるメーカーなど川上の顧客にも展開することで、早期のシナジー創出を目指していく。
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