カーゴニュース 2026年8月6日 第5458号
NPO法人輸出入手続サポートファーム(EIPS、徳光和子理事長)は2026年8月12日に設立5周年を迎える。徳光理事長は、「NPOは設立することよりも、活動を継続することが難しいと言われる。関係する企業・団体の皆様から一定の評価を頂き、5周年を迎えられたことの意義は大きく、感謝の気持ちでいっぱい。今後は輸出入手続きに関するコンサルタント事業はもとより、関係団体等との協力をもとに、輸出入手続きに関するセミナー事業、通関士等へのサポート事業にも力を注いで活動していきたい」と話す。
「One team」としてコーディネート
徳光理事長はEIPS発足の経緯について、「輸出入事業者から、関税分類、関税評価、事後調査、さらには保税地域取得に向けた対応など、『直面する問題の解決に大変困っている』、『簡単に相談に乗ってくれるところはないか』といった声が多く寄せられていた。こうしたニーズに応えるため、長年、輸出入業務や関税・税関行政、貿易実務等に従事し、第一線を退かれた方々の協力を得て、輸出入手続き等の各種問題に直面し、困っている現役世代の方を支援するためNPO法人を設立した」と振り返る。
21年10月から本格的に活動を開始。現在、正会員(個人・団体)、賛助会員(同)合わせて41者で、うち正会員はNTTデータ、日本繊維輸入組合、日信商事、シンクロジスティクスほか36者。相談依頼者は荷主、物流会社など大企業から中小企業、個人事業主に至るまで幅広く、活動地域も関東圏から中部圏、関西圏、九州圏に拡大。支援要請の内容は、関税分類や事後調査、関税評価、保税地域や通関業の許可の取得、さらには経済産業省所管の輸出入貿易管理等多岐にわたっている。
EIPSの活動の強みは、「サポーター」としてEIPSに登録する税関OBと通関士OBなどが「One team」となってコーディネートできること。登録サポーターは現在30人で、関税局および税関の現場、さらには通関士として豊富な経験を有する。品目分類や原産地規則、さらには関税評価など国際的なルールに基づく知見を要する業務には、税関の国際的な組織であるWCO(世界税関機構)等での勤務経験のあるサポーターも対応。経産省の貿易管理業務を長年担当していた者もサポーターとして登録されている。
実務を中心に「安価」で丁寧に対応
EIPSのポリシーは各輸出入企業からの依頼に、「企業に寄り添いきめ細かに分かりやすくサポートする」こと。設立理念に基づき、依頼者の要求に対し、実務を中心に「安価」で丁寧に対応し、「信頼感」を高めている。山内大二郎副理事長は、「可能な限り企業に出向き、まずは依頼内容に対する回答を伝えるとともに、企業内担当者の輸出入手続き等に対する理解度を確認する。そのうえで、今後の企業としての輸出入手続きに関する対応方法について意見交換を行う」と説明する。
23年9月に国際eコマース協会(小此木八郎会長)とパートナーシップ協定を締結し、同協会の会員向けに、関税政策に関わる法制度改正をテーマにセミナーを開催。支援先・提携先のニーズを幅広くキャッチするため、EIPSの認知度向上にも取り組んでおり、NPO法人の立ち上げメンバーがホームページを改良し、検索エンジンで「輸出入」と検索した際、EIPSの識別度合いが高まるようにした。理事全員がそれぞれの本業においてもEIPSの支援の輪を意識して活動している。
山内副理事長は、「経済や社会活動のグローバル化が進む中で、日本と世界各国・地域とのEPA(経済連携協定)が相次いで発効されており、輸出入事業者や通関業者にはより幅広い知識が求められている」と指摘。徳光理事長は、「輸出入に困ったら、まずは気軽にEIPSに相談してほしい。サポーターがその知識や人脈を活かして輸出入手続き等の各種問題に直面し困っている現役世代の方を支援し、ひいては適正かつ円滑な輸出入手続きを実現・促進し、我が国の貿易経済の発展に貢献していきたい」と語った。
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