「OGLC船橋」のバース

カーゴニュース 2026年7月23日 第5454号

王子物流
横浜~船橋ではしけ輸送ルート構築

共同物流では〝段積み〟で積載率向上

2026/07/22 16:00
全文公開記事 荷主・物流子会社

 王子グループの物流機能会社である王子物流(本社・東京都中央区、塩澤実社長)は、持続可能な物流の構築に向けた様々な取り組みを進めている。千葉県船橋市の物流拠点を活用し、横浜~船橋間ではしけ輸送ルートを構築。DNPグループと取り組んでいる共同物流では、パレット化と積載率の向上を実現した。倉庫間の幹線輸送では自動運転トラックの実証も行うなど、中長期的なトラック輸送力不足への対応を図る。

 

船橋拠点を活用、海上シフト需要の取り込み強化

 

 王子物流は今年4月、船橋港に開設した物流拠点「王子物流グローバルロジスティクスセンター船橋(OGLC船橋)」で横浜港~船橋港の「はしけルート」を新設した。「OGLC船橋」のコンテナヤードと横浜港をつなぐことで、グループ内外の貨物の取り扱い拡大を図るとともに、混雑する京浜港の貨物の一部を船橋港へシフトするニーズなどに対応できる体制を強化。今後拡大が期待される海上モーダルシフト需要の取り込みを目指す。

 

貨物特性を活かし共同物流、CO2を半減

 

 共同物流は昨年5月にスタートした。大日本印刷(DNP)グループの物流会社のDNPロジスティクス(本社・東京都新宿区、松村弘之社長)と王子ネピア(本社・東京都中央区、森平高行社長)、王子物流が連携した取り組みで、福島~関東間で共同物流を実施している。

 

 DNPグループのDNPテクノパック泉崎工場(福島県泉崎村)と王子ネピア福島工場(福島県福島市)が近隣に所在していることを活かし、DNPは包装資材、王子ネピアは大人用紙おむつを輸送するもの。王子ネピアの工場の「元地倉庫」(製造拠点倉庫)で製品を積み込んだトラックがDNPテクノパックの工場に立ち寄り、製品を混載して福島を出発。DNPの埼玉拠点(埼玉県三芳町)で包装資材を荷降ろしした後、王子ネピアの江戸川倉庫(東京都江戸川区)で荷降ろしするルートで、現在月2回輸送している。

 

 王子物流取締役事業統括本部長の岡田佳久氏は「これまで、DNPロジスティクス様のトラックは納期の関係により製品を1段積みで出荷しており、低い積載率が課題となっていた。そこで、近隣に工場がある王子ネピアの製品を混載する形とした」と共同物流の背景を説明。「24年12月から実証輸送を開始し、混載した場合でも双方の製品の品質に影響がないことを確認できた。また、運行する車両数とCO2排出量の双方で削減効果が認められたため、月2回運行のペースで実施している」と話す。

 

 積載方法では、DNP製品を1段積みから2段積みできる資材を新規で導入し、積載可能なパレット数を16パレットから28~32パレットに拡充した。王子ネピアの製品は従来バラ積みだったため、元地倉庫でレンタルパレットに積載することで、双方パレタイズでの積み込みを可能にした。これにより、双方の貨物特性(軽・重)を活かした共同輸送を可能にし、両社合計で年間60台の車両数を削減。工場~倉庫間の輸送によるCO2排出量の年間50%削減を見込むなど、省人化と環境負荷低減で大幅な改善を実現した。

2段積みによる混載輸送を実施

ダブル連結車活用、主要拠点にバース予約システム

 

 改正物流効率化法が掲げる物流改善の重要項目には、トラックの積載効率向上が掲げられている。王子物流は物流生産性向上を図る取り組みの一環として、関西から四国に向け運行しているダブル連結車両の復荷に困っていた輸送会社との連携により、25年6月より王子ネピア徳島工場から関西・中部圏へ製品輸送を開始し、現在週1便の定期運行を実施している。これにより、復荷積載率は100%に向上した。

 

 トラックの長時間待機削減にも取り組んでいる。23年に日本パレットレンタル(JPR)グループのTSUNAGUTEが提供するバース予約システム「telesa-reserve(テレサリザーブ)」を王子ネピア名古屋工場物流センターに導入した。

 

 その後、全国の主要拠点に導入を拡大することで、現在2時間以上の待機が発生するケースはみられなくなった。また、王子マテリアの一部の物流拠点ではトラックバースを増設することで、長時間待機を解消。グループ全体でトラックドライバーの労働環境改善を推進している。

 

倉庫間幹線輸送の自動運転化を視野に

自動運転トラックに製品を積載

 なお、王子物流は昨年10月から自動運転トラックを活用した輸送サービスを提供するT2(本社・東京都千代田区、熊部雅友代表取締役CEO)と連携し、自動運転トラックにより王子グループの製品を幹線輸送する実証を行った。王子物流の有明倉庫(東京都江東区)と安治川倉庫(大阪市港区)を結ぶ高速道路上の一部区間で、ドライバーが乗車したレベル2での自動運転トラックで運行するもので、計4回実施した。

 

 岡田氏は「自動運転の走行ルートや走行リードタイム、拠点オペレーションなどの課題を検証した。実証の結果、有人トラックによる輸送と同等の輸送品質を実現できることが確認できた。今後は輸送コストを含めた総合的な検討を行い、将来的には(完全無人の)レベル4での実装につなげる方向にある」と語った。

岡田氏
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