カーゴニュース 2026年7月23日 第5454号
NX総合研究所(本社・東京都、鈴木理仁社長)は「2026年度の経済と貨物輸送の見通し・改訂版」(7月7日時点)を発表した。国際通貨基金(IMF)が4月に26年の世界経済成長率を3・1%増(前回予想比0・2pt低下)と下方修正したことを受け、日本経済の26年度成長率は通年で0・5%増(前年度比0・6pt低下)と減速を予想。下期以降については0・7%増と拡大を見込んだ。それを踏まえ、26年度(暦年)の国内貨物総輸送量は39億4260万tで0・3%減と予測。5年連続で減少基調にあるが、前年度の3・3%減と比べると改善がみられた。
一般機械・部品、石油製品が増送に
26年度の国内貨物総輸送量のうち、消費関連貨物は、通年9億3740万t(0・5%増)、上期4億5220万t(0・9%増)、下期4億8520万t(0・1%増)となり、猛暑に伴う飲料・日用品などの需要継続が増加要因となりプラスを維持するものの、前年の2・5%増と比べ、減速気味の推移を見込む。
生産関連貨物は、通年14億360万t(2・3%増)、上期7億320万t(2・5%増)、下期7億40万t(2・2%増)と3年ぶりに増加へ反転すると予測。前年は米国関税政策の影響などにより自動車部品、鉄鋼などの荷動きが停滞し通年で2・4%減とマイナス幅が拡大していたが、26年度は省力化投資やデジタル投資の活発化に伴う設備搬入特需が一般機械・部品や関連輸送を押し上げるほか、生産活動の拡大を受け、石油製品で増送を見込んだ。一方で鉄鋼、化学工業品はやや低調な推移を予想した。
建設関連貨物は、通年15億6290万t(2・9%減)、上期7億6770万t(3・7%減)、下期7億9520万t(2・0%減)と4年連続の減少を見込んだ。前年の7・1%減と比べ、改善方向にあるものの、大規模公共工事の執行が期待できず、建設資材価格や人件費の高騰などを背景として伸び悩むものと見込んだ。
営業用トラック、5年ぶりのプラスに
輸送モード別にみると、貨物鉄道では、25年度にリニア中央新幹線建設工事に伴う発生土輸送(エコ関連物資輸送)が大きく寄与したことでJRコンテナは4・4%増と上向いていたが、26年度は建設土輸送が頭打ちとなったほか、1~3月の雪害に伴う運休の影響により4・2%減と3年ぶりのマイナスへ反転。なお、リニア建設発生土輸送は年度内いっぱいで終了が想定される。一方、車扱は25年度の1・5%減から、26年度は石油の比較的堅調な荷動きやセメント・石灰石の増送により、小幅ながら0・6%増とプラス転換を予想する。
営業用トラックは、25年度の3・4%減から、26年度は生産関連貨物の持ち直しに加え、消費関連貨物の堅調な推移にすることで0・4%増と微増ながら5年ぶりのプラスを見込む。自家用トラックは、25年度の3・5%減に続き26年度は1・9%減と4年連続の減少を予想。
内航海運は、前年度の2・3%減に対し、26年度は0・9%増と5年ぶりのプラスに浮上。うち、生産関連貨物が石油製品などの堅調を受け1・4%増(2・9pt上昇)、建設関連貨物が水面下ではあるものの、0・2%減(3・6pt上昇)とマイナス幅の縮小を見込んだ。
国内航空は、25年度はヤマトホールディングスの貨物専用便運航に伴う輸送量押し上げ効果が下期に剥落し、24年度の8・0%増から2・5%増と減速。26年度は0・8%減と5年ぶりのマイナスを予想した。26年度は、上期に押し上げ効果の剥落が続き3・3%減と低調に推移するが、下期には一般貨物の若干の持ち直しが期待され1・4%増と上向き、通年では0・8%減の微減と見込む。
国際航空輸出は3年連続プラス、コロナ前水準へ
外貿コンテナは、世界経済の低成長・減速懸念が強まるなか、輸出が前年の0・1%減から0・6%増と小幅ながら3年ぶりのプラスを見込む。一方、輸入は消費財・生産財とも増加基調を維持し、2・7%増と3年連続のプラスを予測した。
国際航空の26年度の輸出は、太平洋線が小幅ながらプラスに転換、欧州線はマイナス基調が続く。一方、アジア線では東南アジアや台湾・インドなどが引き続き好調に推移。品目では、半導体関連(電子部品・製造装置)の増勢が拡大。自動車部品は低調な荷動きが続く。貨物量は3年連続の増加となり、コロナ前の19年度の水準近く(99・0%)に回復する見込み。輸入は輸入が消費財・生産財とも堅調に推移し、3・9%増と3年連続のプラスを予想した。
4~6月の「荷動き」実績は大幅に改善
輸送量のほか、国内向け出荷量「荷動き指数」の速報値も発表した。それによると、26年4~6月実績は1~3月期の「マイナス7」から「プラス2」に浮上した。前回調査時は4~6月期は2pt上昇の「マイナス4」と小幅な改善を予測していたが、今回の調査では9pt上昇と一層の改善傾向を示した。続く7~9月見通しは「プラス2」で4~6月実績の横ばいとなった。多くの荷主は夏以降の荷動きに関しては、今以上の伸長を期待できないと受けとめていそうだ。
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