カーゴニュース 2026年9月1日 第5463号
東 海運(本社・東京都中央区、松井伸介社長)は、「シームレスなワンストップ液体物流ソリューション」の提案を強化する。フレキシタンク、ISOタンクコンテナという2つのツールを活用した国際輸送と、九州地区の危険物総合物流拠点を組み合わせ、ドア・ツー・ドアのサービス体制で顧客のサプライチェーンを一貫して支援していく考えだ。
フレキシタンクとタンクコンテナの両方を提案
東 海運では、液体輸送を国際輸送事業における重点分野と位置付けている。貨物の性質や顧客のニーズに合わせてフレキシタンクあるいはISOタンクコンテナを利用した最適な液体輸送ソリューションを、フォワーディング、通関、ドレージ、倉庫などの機能や国内外のネットワークも駆使して提供する。
ソリューションの柱のひとつであるフレキシタンクは、食用品の飲料やベースオイル、化学品など非危険物の液体を専用バッグに充填して輸送するための容器で、20ftの海上ドライコンテナの内部に設置し、液体を充填し、現地へ輸送する。バッグは納品後に廃棄する使い捨てのワンウェイタイプのため衛生面でもすぐれている。
東 海運は、2021年12月に世界シェアトップを誇るフレキシタンクメーカー・販売会社であるQingdao BLT Flexitank Solution Co.,Ltd.(BLT)と日本代理店契約を締結し、フレキシタンクによる液体輸送に参入。バッグの廃棄の手配や初回充填時の立ち合いも含めてトータルなサポート体制を確立している。
フレキシタンクの代理店で結成された国際的アライアンスである「プレミア・バルク・リキッド・アライアンス(PBLA)」に日系企業として唯一加盟し、海外の信頼できるパートナーとネットワークを構築。日本からの輸出では魚油など、輸入では魚油、米ぬか油、ワインなどの輸送実績があり、今後は非危険物の化学品にも広げていきたい考え。
フレキシタンクはドラムやIBC(中容量容器)と比べ、製品の充填、荷卸しを効率的に行える。バッグは4層構造となっており、充填量などの規定を守れば漏洩等の事故のリスクは低いという。また、洗浄が必要なISOタンクコンテナより輸送コストを抑えられる可能性があるため、潜在需要が見込まれる。
もうひとつの柱がISOタンクコンテナ。23年1月にマレーシアを本拠とするE―WAYグループ傘下のISO TANK MANAGEMENT PTE LTD(ITM社)と日本代理店契約を締結。ITM社のISOタンクコンテナ事業が今年5月に親会社のE-WAY ALLIANCEに移管されたことを受け、同事業のブランド名は「E―WAY」となった。
E―WAYのフリート数は2万基で世界のISOタンクコンテナオペレーターでは9位にランクインする。東南アジア、さらにはアジアでも最大手の位置づけで、とくに東南アジア、中国、台湾、韓国、インドのネットワークに強みを持つ。07年に設立されたため比較的新しいタンクが多く、また、食品専用のタンクのニーズにも応えられる。
アジアの玄関口・九州地区のMWSと連携も
3つ目の柱が、九州地区の危険物総合物流拠点「マルチワークステーション(MWS)」との連携だ。東 海運では自営の拠点として「危険物MWS・新門司サイト」(北九州市門司区)、「危険物MWS・朝倉サイト」(福岡県朝倉市)の2ヵ所を整備し、危険物倉庫のほか、ISOタンクコンテナ、フレキシタンクを保管できる施設を有している。
このうち「危険物MWS・新門司サイト」はISOタンクコンテナの危険物屋外貯蔵所を保税蔵置場とし、保税機能を活用した保管ニーズにも対応。敷地内の危険物一般取扱所では加温(スチーム・温水)、ローリー、ドラムへの詰め替えなどマルチパターンでの荷姿変更に対応し、ドラムへの詰め替え後、危険物倉庫で保管することも可能だ。
ドライコンテナのインランドデポも併設しているため、フレキシタンクでの保管も行える。拠点機能の拡充も図っており、今年2月に加温設備を増強したのに続き、ISOタンクコンテナの屋外貯蔵所を拡張し、蔵置能力を現在の2倍に引き上げる計画。九州地区全体でISOタンクコンテナ288基の保管体制となり、地区最大規模となる。
東 海運のようにフレキシタンク、ISOタンクコンテナ両方のソリューションを提供できる企業は少なく、貨物の種類や顧客のニーズ、仕向け地に合わせて最適な輸送手段を提案できる。とくにアジアの玄関口である九州地区で自前の拠点を構え、国際輸送に附随する機能やドレージも含めた総合力が強みとなっている。
なお、東 海運は8日から開催される国際物流総合展2026(東京ビッグサイト)に出展し、一連のサービスを紹介する予定。
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