カーゴニュース 2026年9月1日 第5463号
国土交通省は8月27日、2027年度予算概算要求を公表した。一般会計は8兆7694億円(26年度予算対比1・44倍)、東日本大震災復興特別会計は359億円(1・03倍)、財政投融資は2兆134億円(1・47倍)とした。そのうち物流部門が所管する予算は26年度当初予算と25年度補正予算を合わせた97億円に対し、2・15倍となる209億円を要求。「総合物流施策大綱(2026年度~30年度)」を踏まえ、30年度までの「集中改革期間」での物流革新を抜本的に強化する。
商慣行見直しや自動運転トラック実装を推進
物流分野では、物流の生産性向上、商慣行の見直しと人材確保、レベル4自動運転トラックの早期の社会実装を進めるほか、経済安全保障への対応として、石油に過度に依存しない物流の実現を図る。また、次世代型倉庫の導入促進を推進する。
物流の生産性向上、商慣行の見直しと人材の確保では169億4800万円の内数を充てる。うち、発着荷主の商慣習変革に61億9000万円(新規事業)を充て発着荷主が物流事業者と連携し、より物流負荷の少ない発注を行うために必要なシステム改修経費や、新たに使用する物流施設の初年度利用料などを支援する。物流効率化集中促進事業には30億円を充て、自治体や地域、複数の荷主・物流事業者が連携して行う共同輸配送や新モーダルシフトの促進を図り、事業経費などを補助する。
また、荷主・物流事業者間のデータ連携の促進や宅配便置き配サービスの事業者間連携を促す取り組みに4億2500万円、宅配便の受け取り拠点の整備、貨客混載や共同配送の推進、ドローンの活用などに1億7500万円、テールゲートリフターやトラック搭載クレーンの導入補助や、標準仕様パレットの利用促進に30億円、トラックドライバーや倉庫作業者の知識・技能に関する公正な評価基準を設けるとともに、物流倉庫での外国人人材の受け入れ環境整備に3億5000万円(新規事業)を要求した。18億円を充て、高速道路でのレベル4自動運転トラックの早期の社会実装に向け、自動運転サービスのビジネスモデルの検討やシステム開発への支援を計画する。
物流事業者のエネルギー確保手段の多元化・強じん化による経済安保対策として、太陽光・水素・バイオマスなどによる次世代エネルギーに係る設備導入や、環境性能の高いディーゼルトラックの導入支援するため15億円を要求した。
物流施設の高度化・災害時対策推進に注力
次世代型倉庫の導入促進に向け、庫内作業の自動化・機械化など物流施設の高度化推進実証事業に30億円、災害時の非常用電源設備導入に6億円を要求した。また、物流効率化法に基づく物流拠点などの整備や中継輸送の推進を図るため、財政投融資による239億円を要求した。
環境対策では、6億6600万円を要求し、トラック・バスなど商用自動車の導入ガイドラインの策定や商用電動車の性能評価公表制度の創設に向けた調査事業を行う。そのほか、環境省との連携によりエネルギー対策特別会計の予算を活用し、EVトラックやFCVトラックの導入補助を行うこととしている。
税制関連では、倉庫業者や通運事業者が使用するフォークリフト用の軽油引取税について特例措置の3年間延長や、中小事業者がトラック・機械などを取得した場合の税額控除特例の2年間延長を要求した。
貨物鉄道利用の拡大へ大型コンテナ導入支援
貨物鉄道関連では、鉄道局予算により、貨物駅の災害対応能力の強化や、自然災害による鉄道寸断に対応した代行輸送の拠点となる貨物駅の施設整備を推進する。幹線鉄道等活性化事業補助の事業費19億1300万円の内数と国費5億7900万円の内数に加え、鉄道施設総合安全対策事業補助の事業費598億円の内数と国費199億2600万円の内数を要求。また、大型トラックからの積み替えが容易な31ftコンテナの利用拡大に向け、貨物駅のコンテナホームの拡幅、大型コンテナの荷役作業を行う機器・車両の導入支援を図るため、幹線鉄道等活性化事業補助の事業費19億1300万円の内数と国費5億7900万円の内数に加え、物流効率化集中促進事業の30億円の内数を要求した。
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