カーゴニュース 2024年7月9日 第5257号
国土交通省は4日、最大積載量4t以上のトラック等のデジタル式運行記録計(デジタコ)の装着率を現行の約80%から2027年には85%まで引き上げる目標を示した。装着率85%を達成した後は、100%達成に向け、数年かけて取り組んでいく。4日に開催した「物流革新に向けたデジタル式運行記録計の普及促進に関する検討会」第2回会合で方針を提示した。
85%達成に向けた施策として、25年度予算などを活用し導入費用補助金を増額する考え。また、最大積載量4t以上の車両に装着を義務化しているのはアナログ式運行記録計とデジタコの両方を認めているが、デジタコはアナログ式よりも高度な運行管理が行えることから、将来はデジタコ装着を義務化することも視野に入れる。
9台以下の事業者はデジタコ装着率4割
国交省が5~6月にトラック事業者を対象に実施したアンケート調査によると、最大積載量4t以上の車両のデジタコ装着率は79・8%だった。事業者規模別に4t以上の車両の装着率をみると、9台以下は43・8%、10~29台は69・6%、30台以上は77・5%となっており、規模の小さい事業者ほど装着率が低かった。
未装着者が理想とする1台当たりのデジタコ導入費用は、初期費用の平均値が約4・6万円、月額費用の平均値は約0・53万円だった。事業者の規模に関わらず初期費用は10万円未満、月額費用は0・5万円未満とする回答が大半だった。デジタコを使用しない理由では、アナログ式での運行管理で問題がないことや、デジタコ導入の費用の高さや、新車購入時に標準装備されているアナログ式をデジタコに買い替える費用が惜しいなどの回答があった。
これを受け、国交省は来年度予算などを活用し、現行の費用補助を増額し、中小事業者がより導入しやすくする。とくに車両数10台未満の事業者に対する費用補助を手厚くするとともに、今後の普及状況を見据えながら、アナログ式を認めていた制度を改め、デジタコ装着を義務化したい考えだ。
今年2月に我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議が公表した「2030年度に向けた政府の中長期計画」ではトラック輸送分野のデジタル化加速を盛り込んでいることから、デジタコ装着も30年度に義務化するとの見方もある。
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