コリアーズ・インターナショナル・ジャパン（本社・東京都千代田区、小笠原行洋代表）はこのほど、「大型物流施設２０２４～２０２６年の新規供給の見通し―四大都市圏」と題するレポートを発表した

　レポートによると、23年は、四大都市圏で合計２００万坪弱の新規供給があり、過去最大級の供給量となった。24年は前年より減少するものの合計１５１万坪、25年は合計１３８万坪の新規供給となり、年間１００万坪を超えるペースで供給が続いている。四大都市圏の新規供給量は今後も高水準で推移されると予想される。

　東京圏の24 年エリア別の大型物流施設の新規供給は、神奈川、茨城、千葉を中心に見込まれる。圏央道沿線では５万坪超の大規模物件の供給が控えており、これらを含む１万坪を超える大規模物件の供給が25年までに計30件程度見込まれる。西東京エリアから圏央道埼玉エリアにかけての東京圏の北西部では、25年までにそれぞれ15万坪程度の新規供給を予定。１万坪を超える大規模物件が10件以上供給され、圏央道沿線の開発が目立つ。千葉内陸エリアの常磐道沿線でも、１万坪を超える大規模物件の新規供給が25年までに10件超予定されている。

　大阪圏では23年は兵庫県の神戸市を中心に供給が増加し供給量が大阪圏内で最多となった。25年にも延床面積11万坪超の「ＧＬＰ　ＡＬＦＡＬＩＮＫ尼崎」を含む大きな供給量が見込まれ、大阪圏の新規供給の過半を占めるものと予想される。大阪府では、24年に27万坪の供給が込まれ、「ＧＬＰ　ＡＬＦＡＬＩＮＫ茨木１」が最大規模となり、翌年以降も同シリーズの供給が続く。大阪府・兵庫県と比較して、他府県の供給量は少ないが、24年から25年にかけて滋賀県で「ＵＩ湖南ロジスティクスセンター１期・２期計画（仮称）」が竣工を予定し、同エリアでは最大規模となる予定。

　名古屋圏では、23年は三重県・愛知県での供給が目立った。三重県では、延床面積約３万坪の「ＭＦＬＰ弥富木曽岬」が竣工し、愛知県では、25年に名古屋市内で延床面積２万６０００坪の「ロジポート名古屋２」が竣工予定。また、延床面積２万坪弱の「ＭＦＬＰ一宮」も愛知県の新規供給増に寄与している。静岡県では25年に「ＭＣＵＤ・ＺＩＰ静岡掛川（仮称）」が竣工予定。23年には「ＤＰＬ掛川Ｂ」が竣工し、東名高速沿線の開発が続く。「２０２４年問題」を意識した東京大阪間の中継拠点の立地としては、距離的に若干大阪寄りとなる愛知県よりも、静岡県西部に優位性があるとの見方もある。

　福岡圏では23年から24年にかけて、福岡県での供給が増加し、概ね年間10万坪程度の新規供給が続く。九州各方面への分岐点となる鳥栖ＪＣＴ周辺エリアで、供給が増加し、本州方面からみて福岡市の玄関口となる古賀エリアなどで、複数物件の供給が予定されている。23年に竣工した「メープルツリー筑紫野ロジスティクスセンター」は延床面積７万坪と、同エリアでは最大規模の物件となった。