カーゴニュース 2026年10月22日 第5477号
国土交通省は19日、トラックの適正原価検討会の第4回会合(写真)を開催し、適正原価を設定する事業種別の区分について、一般貨物自動車運送事業では「貸切」に加え「特別積み合せ(特積み)」を別途設定する方針を固めた。特積み事業は、集配、幹線輸送に加え、ターミナルでの仕分けを一体として提供する輸送サービスであることから、貸切とは別建てとすることが適切とした。併せて、特定貨物運送事業は貸切の適正原価を適用し、「軽貨物運送事業」は貸切の小型車をベースに示すこととした。検討会では、荷主団体を対象としたヒアリングの結果も報告した。荷主の大勢はドライバーの処遇改善と安定的な物流を確保する観点から、適正原価導入に賛同していることがわかった。一方で制度運用に関しては検討課題が多いことから、12月に予定している最終取りまとめの前に、次回の検討会で中間的に大枠を提示することとした。
配慮義務違反を避ける要件の明確化を
19日の検討会では、荷主団体を対象とした聞き取り調査の結果について、経済産業省、農林水産省、国交省が報告した。経産省は荷主9団体の個別ヒアリングとアンケート調査、農水省は、荷主・卸など関係10団体の個別ヒアリングとアンケート調査を行った。国交省は、特積みでは全日本トラック協会物流ネットワーク委員会、軽貨物では全国軽貨物協会、全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会、日本郵便、霊柩では全国霊柩自動車協会、利用運送では国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)航空貨物運送協会(JAFA)からの意見を聴取。荷主では、建設業、住宅産業、たばこ産業、医薬品卸売業からヒアリングを行った。
荷主団体の大勢は、物流の持続性確保の観点から、適正原価制度の導入に賛同していた。一方、制度が法的拘束力を持つことを踏まえ、配慮義務違反となる行為に問われない要件の明確化や、安全運行を担保する適正原価と、利潤を上乗せした運賃との明確な区別を求める声が多数あった。また、適正原価の算定根拠を理解・検証できる制度とすることや、業界ごとに異なる物流特性を踏まえ、柔軟な制度設計が必要だとする指摘があった。さらに、適正原価導入後に想定される運賃水準の上昇分が、ドライバーの賃金引き上げに反映されることを確認する仕組みを求めた。
元請が適正原価を下回れば行政処分も
事務局はこれを踏まえ、ドライバーの賃金が該当する地域での全産業平均賃金を参照し適正水準となっていることを確認する手段として、事業者が提出する事業報告書の人件費明細表を利用する考えを示した。
また、荷主・元請が適正原価を下回る水準で事業者が運賃・料金を継続的に収受する状況を生じさせた場合は、トラック・物流Gメンの是正対象となることが規定されている。これについて、適正原価を下回らないように運賃・料金を収受する義務を負っているのはトラック事業者であることから、事業者が荷主などに対し、書面などで運賃・料金について協議を申し入れていない場合は、荷主などが是正指導の対象とならない考えを示した。一方、元請の場合は、貨物自動車運送事業法違反となることから、是正指導だけでなく、事業停止などの行政処分の対象となり得る考えを示した。
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