24年12月2Qの売上高の増減

カーゴニュース 2024年8月22日 第5268号

FOCUS
M&A効果で2ケタ増収も、営業益5割減

NXHD/24年12月期2Q  通期利益を下方修正

2024/08/22 18:23
FOCUS 決算

 NIPPON EXPRESSホールディングス(本社・東京都千代田区、堀切智社長)の2024年12月期第2四半期の連結業績(1―6月)は、増収減益だった。今年1月に連結化したカーゴパートナー(CP社)の買収効果などで2ケタ増収となった一方、利益面はフォワーディング(FWD)事業の粗利単価の低下や人件費などのコスト増加が響き、営業利益は5割減となった。2Q業績を踏まえ、通期業績予想を修正。FWD事業の回復などで売上高を上方修正したが、コストの上昇・高止まりにより各段階の利益を下方修正した。

 

CP社の連結効果で2ケタ増収

 

 NXHDの24年12月期2Q連結業績は、売上高1兆2498億円(前年同期比10・4%増)、事業利益255億円(39・6%減)、営業利益192億円(52・4%減)、当期利益114億円(55・0%減)。

 

 売上高は、2Q(4―6月)からグローバル物流需要に回復傾向が出てきたことに加えて、CP社の連結効果で1273億円、為替効果で354億円の寄与があったことにより2ケタ増収となった。

 

 一方、営業利益は海外発の海上輸送を除くFWD事業の粗利単価が低下したほか、人件費をはじめとする諸コストの増加が利益を押し下げ、前年同期比5割減。1Qに名鉄運輸との特積み事業統合により減損損失65億円を計上したことも響いた。

 

 9日にオンラインで会見した大槻秀史常務執行役員(経営戦略本部長)は「グローバルの物流需要は底打ち感が見られ、6月以降はFWD事業の収益性が持ち直しており、7月以降さらに回復してきている」と述べた。

 

日本セグメントが低調に推移

 

 セグメント別では、ロジスティクス事業における日本セグメントは、売上高6124億円(4・3%減)、事業利益155億円(32・8%減)。国内物流需要が低調に推移したことに加えて、FWD事業の粗利単価の低下、人件費や傭車費などのコスト増で減収減益だった。

 

 海外各セグメントは全地域とも増収となり、CP社を連結化した欧州の売上高は約2・5倍の2373億円となった。事業利益は欧州を除く全地域が2ケタ減益だった。

 

 警備輸送、重量品建設、物流サポートの各セグメントの事業利益も減益だった。

 

通期利益予想を下方修正、日本ロジ低調

 

 24年12月期通期の連結業績予想は、売上高2兆5700億円(前期比14・8%増)、事業利益700億円(13・9%減)、営業利益650億円(8・2%増)、当期利益400億円(8・0%増)。今年2月に公表した予想値から、売上高は700億円上方修正した一方、事業利益は150億円、営業利益は170億円、当期純利益は150億円下方修正した。売上高は海外を中心にFWD事業が回復基調にあることや為替効果が寄与するものの、利益面では日本事業がロジスティクス事業を中心に引き続き低調に推移するほか、人件費をはじめとするコスト増加が継続することが利益の下押し要因となる見通し。日本セグメントの事業利益は前回予想の510億円から90億円減の420億円に引き下げたことが響いた。

 

 なお、CP社の通期業績は売上高2577億円、事業利益18億円を予想している。

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