カーゴニュース 2026年3月5日 第5416号
衣料品やライフスタイル雑貨の卸売・小売を展開するクロスプラス(本社・名古屋市西区、山本大寛社長)は、物流センターの「クロスプラス中部センター」(岐阜県海津市)に、小型仕分けロボット「SOTR―S」(ダイフク製)を導入した。アパレル業界では初導入で、2月から運用を始めている。2月26日、メディア向けに取材会を開いた。
クロスプラス中部センターは、アパレルや服飾雑貨、化粧品などの製品を小売店舗ごとに仕分けて発送する同社の中核物流センターで、出荷能力は年間2000万枚を有する。
同センターに導入した「SOTR―S」は、設置スペースが32×36m(1152㎡)、1時間あたり4000枚の運用能力を持つ。商品を搬送するAGVは100台、シュート数は250設置し、一度に250店舗への仕分けを可能にした。シュート数は最大300まで増設が可能だという。インダクション(商品投入口)は5ヵ所設置した。運用フローは、発注オーダーに基づきインダクションに運ばれた商品を、作業者が1枚ずつバーコードをスキャンしてAGVのトレーに載せる。AGVは納入先のシュートまで商品を自動搬送し、投入する。各シュートには商品の投入残数が表示され、残数が0になった時点で商品が入った箱を自動コンベヤで封函機へ搬送し、封函、出荷――となる。
荷主自身が物流効率を設計
クロスプラスでは、人手不足などの物流課題に早くから取り組んでおり、紙のピッキングリストの廃止とハンディ端末への移行、作業効率化による集荷時間の前倒し、適正な運賃改定を実施するなど、トラックの安定的な確保に向けた業務改革を行ってきた。今後、物流の適正化への対応が荷主企業にも課せられることなどを背景に、ドライバーの荷待ち時間の削減を実現するため、仕分け作業の自動化に着手することにした。クロスプラスの長田真弥物流部長は「物流を運送会社任せにするのではなく、荷主自身が物流効率を設計し『どう運んでもらうか』ということを重視した。運用面では、『誰でもできる化』を実現し、属人的な作業に依存しないオペレーションへの移行を考えた」と話した。アパレル業界では、色や柄、サイズの多様化によるアイテム数の増加や、夏服・冬服の容積差、EC市場拡大によるスピードへの対応など、特有の物流課題を抱えているが「『SOTR―S』はこれらに対応できる仕組みになっており、卸売りの仕分けとECの顧客仕分けも同時に行えるものとなっている」(長田氏)と説明した。
省スペース、高処理能力を実現
作業効率改善のため、今回の「SOTR―S」にはさまざまなカスタマイズが施されている。そのひとつが「2層式構造」で、商品をシュート後のAGVがインダクションに戻る専用通路を2層目に設けた。AGVの通路を〝往路〟と〝復路〟に分けたことで、従来のベルトコンベヤ式と同一面積でシュート数が約2倍に拡大、AGVの渋滞も防止でき「省スペースで高処理能力」を実現した。ダイフクイントラロジスティクス営業本部の藤田幸二担当部長は「2層式の仕分けシステムは当社では今回が初めて」としたうえで「検討開始から完成まで約2年半を要したが、試験運用中も誤仕分けはほぼ発生せず、無事運用を開始することができた」と振り返った。
このAGVは分散制御のため、1台が停止してもシステム全体は止まらない、停止ロスの最小化も実現。その結果、作業工程は手作業と比較して約3倍に向上したという。長田氏は「『SOTR―S』を導入したことで2026年度には中部センター全体の生産性を5%向上することを目指す」としている。
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