カーゴニュース 2024年8月27日 第5269号
NIPPON EXPRESSホールディングス(本社・東京都千代田区、堀切智社長)は20日、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、北米地域で商用車の自動運転技術開発や自動運転トラックを用いた物流サービスを展開するGatik AI Inc(ガティック社、本社・米カリフォルニア州、ゴータム・ナラン社長)に出資した。
ガティック社は自動運転トラックを使った物流サービスを提供するスタートアップ企業で、2017年に米国で創業。自動運転のソフトウェア開発をはじめ、自動運転車両の全体設計や、試験評価に関するノウハウを持つ。21年に公道での無人自動運転車による商業輸送に成功しており、自動運転トラック分野の先駆的企業として注目される。とくにBtoBの短中距離物流に特化し、荷主の倉庫間や倉庫・店舗間などの「ミドルマイル領域」で自動運転車を活用した物流サービスを提供する。ウォルマート、クローガーといった米大手小売業や食品飲料メーカーなど日用雑貨、食品などを取り扱う荷主を顧客として、北米地域で事業を拡大している。今年6月には、伊藤忠商事が米国でのトラックの卸売・販売金融事業とのシナジー創出を図り、同社への出資を行った。
政府が25年度に全都道府県の一般道で自動運転トラックの通年運行を可能とする方針を掲げたことを受け止め、NXグループは自動運転車の知見とノウハウの増強に取り組んでいる。また、工場への原材料の納入や製品出荷など「ミドルマイル領域」の物流サービスを多数の顧客に提供していることから、ガティック社との資本関係を通じて最先端の自動運転トラック事業の知見を深め、協業を通じて将来的に日本での自動運転トラック事業への参入を目指す。また、米国をはじめとしたグローバルでの連携も視野に入れている。
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