国土交通省は１日から来年２月28日まで、大型車の冬用タイヤへの交換時期に車輪の脱落事故が急増する傾向を踏まえ、タイヤ脱着時の確実な作業の徹底を呼びかける「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施する。

　適切なタイヤ脱着作業の動画やポスターおよびチラシ（写真）を活用した、大型車のユーザーやタイヤ脱着作業関係者への啓発を行うとともに、冬用タイヤ交換作業の平準化を推進。大型車のタイヤ脱着や保守を行う関係者に対し、適切なタイヤ脱着作業や保守管理の重要性について周知・啓発を図る。

　例年、車輪脱落事故は冬用タイヤへの交換など車輪脱着作業から１～２ヵ月後が大半を占めており、積雪予報が発せられた直後に交換作業が集中し作業ミスが発生しやすい状況にある。こうした中、不適切な脱着作業が確認されていることから、余裕を持って正しい脱着作業を行えるよう、冬用タイヤ交換作業の平準化を進める。

　なお、２０２２年12月に発表された「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」の中間とりまとめでは、タイヤ脱着作業者による人為的な作業ミスを前提としたハード対策の推進について、早期の開発や製品化が提言された。これを受け、近年、開発された車輪脱落事故防止対策品は、安全の確保のみならずドライバーの負担軽減も期待されるため、普及促進のために数百台規模で実証調査を行う。