取り組み状況を共有

カーゴニュース 2026年11月5日 第5480号

国交省/経産省/農水省
〝物流革新〟の進捗状況を共有

「関係者協力で物流革新へ」

2026/11/04 16:00
全文公開記事 行政・立法 トラック輸送 人材・働き方・賃金

 政府の閣僚級メンバーが参画する物流政策推進会議の下部組織で、国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省が開催する「物流政策推進関係者会議」の第2回会合が10月27日に内閣府で開催された。トラック運送業の適正原価の検討状況をはじめ、総合物流施策大綱と改正物流効率化法に基づく〝物流革新〟の取り組み状況を関係者間で共有した。

 

「物流改革は加速している」朝日国交副大臣

 

 開会にあたり、朝日健太郎国交副大臣は「トラックドライバーはエッセンシャルサービスを提供する存在だが、担い手不足が深刻な状況にあり、早急な対策が求められる。3月には輸送力不足に対応する新たな総合物流施策大綱が策定され、4月に改正物流法が全面施行され、物流改革に向けた取り組みが加速している。現在、トラック適正化二法に基づく適正原価の設定について検討も進んでいる。本日は関係省庁による物流政策に関わる取り組み状況を確認する」と挨拶。そのうえで「本日(10月27日)は、トラック適正化二法の成立に絶大な尽力をいただいた全日本トラック協会最高顧問の坂本克己氏の誕生日だ。今後も後進への指導・助言をお願いし、ますますのご活躍を期待する」と述べ「物流革新の実現に向け、関係者が一致協力し、取り組みを推進しよう」と呼びかけた。

 

 続いて全ト協の坂本氏が挨拶に立ち「トラック適正化二法の趣旨は、ドライバーが自信と誇りと夢を持って仕事に携われるようにすることだ」と強調し、個人の尊厳と幸福追求の権利を規定する憲法13条に言及し「ドライバーの幸福実現が産業界や荷主の幸福につながり、ドライバーと荷主と社会全体が三方良しとなることを目指していく」と意欲を示し、同法に基づく事業許可更新制度の導入や、省庁ごとに所管する業界の商慣習改善に取り組むことで「運送業界の健全化を実現することが、世界に冠たる日本の物流をつくることが理想であり目標だ」と訴えた。

朝日国交副大臣
全ト協の坂本氏

中長期計画で示された好事例を公表

 

 議事では、国交省で物流部門と担当する奈良和美審議官(物流・自動車局)が適正原価の設定に向けた検討状況や10、11月のトラック・物流Gメンの集中監視月間での活動、物流部門の27年度予算概算要求の要点を説明。併せて、物流施策大綱や改正物流効率化法に基づく施策の実施状況を報告した。とくに改正物効法が特定事業者として指定した荷主・物流事業者が10月末をメドに提出する中長期計画について「計画に記載された取り組みが着実に実施されるよう、各所管省庁と連携して指導を行う」とした。そのほか、提出された同計画から好事例を公表し「広く周知することで物流改善を促進する」考えを示した。

 

 続いて農林水産省の原田達大臣官房新事業・食品産業部食品流通課長が、27年度予算概算要求341億4100万円により、物流標準化やデジタル化・データ連携、モーダルシフト、AIロボティクス、ラストワンマイル配送などの取り組みを支援するとともに、食品・農水産品輸出の効率的スキームの構築や、物流の専門家を産地・市場などに派遣する伴走支援の計画を説明した。

 

 経済産業省は、井上博雄大臣官房商務・サービス審議官が、流通・物流での省力化と生産性向上に向け、27年度予算として7億5000万円を要求し、物流統括管理者(CLO)の機能向上を通じた物流改善と、フィジカルインターネットの推進によるサプライチェーンの全体最適を実現する施策を推進する方向性を示した。

 

 意見交換では、厚生労働省と公正取引委員会の担当者が、トラック輸送業の労働時間短縮や取引環境の改善に資する取り組みの概要を報告。また、全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)の成田幸雄中央執行委員長が、トラック運送業は全産業平均と比べ低賃金構造であり、時間外労働を前提とした賃金体系となっているため「若年層の入職を促進する観点からも、労働時間を短縮するとともに、全産業平均の賃金体系の実現を図ることが重要だ」と提言した。

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