カーゴニュース 2025年5月29日 第5342号
櫻島埠頭(本社・大阪市此花区、谷本祐介社長)は、大阪臨港地区の中心という恵まれた立地と約20万㎡の広大な敷地を活かし、事業ポートフォリオの最適化を追求していく。脱炭素化の流れで石炭の需要減少が見込まれる中、ばら貨物の野積場のスペースの一部にSUSタンクを新設する構想があり、フィジビリティスタディ(FS)を進めていく。
同社は石炭や塩などエネルギー資源を扱う「ばら貨物部門」、石油や化学品を扱う「液体貨物部門」、危険物倉庫、冷蔵倉庫、セントラルキッチンなど「物流倉庫部門」の3つを柱に事業を展開している。
「液体貨物部門」では3ヵ所のタンクターミナルを運営。第1タンクターミナルは6000㎘タンクを含む28基(9万2600㎘)で構成され、重油、灯油、軽油、ガソリンなど燃料系のほか、化学品も扱っている。
係船能力8万8000DWTの大型桟橋を有しているのが同ターミナルの最大の特徴。化学品のタンクターミナルとしては最大級で、4万tクラス、6000tクラスの外航タンカーが着桟できる希少性を持つ。
第2タンクターミナルは8基(2万7400㎘)で構成され、燃料用タンク専用基地として運用。第3ターミナルは1000㎘、600㎘の7基(5800㎘)から成り、化学品の取り扱いが主体。いずれの桟橋も6000DWTの係船能力を持つ。
同社の第4次中期経営計画(2024年度~26年度)では、「事業ポートフォリオの継続的な改善と必要な投資の検討・実施」を基本方針のひとつに掲げ、国内石油化学産業と次世代エネルギー開発の状況を勘案したタンク新設に関するFSを行うとしている。
具体的には、将来的な石炭の需要縮小を見据え、ばら貨物を扱っている野積場のスペースを活用し、SUS(ステンレス)タンク1~3基(500~2000㎘)の新設を検討しており、中計期間中に計画を固め、着工を目指す。
今後の産業構造の変化や需要動向を踏まえ、野積場でのタンクのさらなる増設も視野に入れている。保管貨物の変化にも対応し、鉄製タンクのSUS化についても検討していく。
なお、第4次中期経営計画では、ばら貨物についてポスト石炭、輸入中継基地としての機能強化を見据えた投資を行うとし、3号野積場にばら貨物用倉庫を建設予定。中計期間中の竣工を目指している。
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