セイノーロジックスは横浜・神戸・名古屋で 内貨受けサービスを提供(写真は神戸)

カーゴニュース 2025年5月29日 第5342号

セイノーロジ
さらなるサービスメニューの拡充模索

2025/05/29 07:00
全文公開記事 危険物・化学品

 セイノーホールディングス傘下で海上混載輸送サービスを提供するセイノーロジックスは、危険物混載サービスにおいて横浜、神戸、名古屋のCFSから165の仕向地に向けて輸送を提供しており、特に欧米向け輸送に強みを持つ。

 

 今年4月、顧客の輸送の課題解決に寄り添える体制づくりのため組織再編を実施し、GROWTH DRIVERS DEPARTMENTを立ち上げた。ひとつの部署で輸出、輸入を含むすべての混載サービスメニューを扱う体制を整え、顧客への最適なサービス提案を実現する体制を構築。「GROWTH DRIV-ERS」には、「顧客の成長をサポートしたい」という想いが込められているという。

 

 2024年の荷動きは下半期から取扱量が増加基調となり、特にインド向けの需要が堅調だった。また、コロナ禍に伴いサービスを停止していた仕向地への危険品LCL輸送を再開したことも取扱量増加に寄与した。

 

 さらに、未通関の内貨状態の危険物でも搬入可能とし、そのまま混載便として手配する内貨受けサービスの好調も取扱量増加を後押しした。横浜(23年12月開始)、神戸(24年2月開始)に続いて、24年12月には名古屋でも、米国・ロサンゼルス向けとロサンゼルス経由米国内陸向け、韓国・釜山向けのサービスを開始。これにより、危険物混載サービスでのメイン拠点すべてでの内貨受け体制の構築が完了した。通常、危険品はコンテナへのバンニングの当日に外貨状態で搬入する必要があるが、船の遅延などでバンニング日が変更になるとドライバーの再手配も必要となり、大きな課題となっていた。内貨受けサービスでは、内貨の状態で搬入が可能なため、ドライバー手配の煩雑さが軽減され、慢性的なドライバー不足への解決策としても有効だ。引き合いは順調に増えており、今後はインドやオーストラリアなどへ仕向地を拡大し、需要確保に努める。

 

 加えて、新たにシリンダーガスなどのクラス2・2(非引火性非毒性高圧ガス)でトライアル輸送を行うなど、受託品目の幅を広げたことも取扱量の増加につながった。危険物を含め、同社の混載サービスの強みとして、GROWTH DRIVERS DEPARTMENT執行役員の今井啓裕氏は「社会情勢の変化などにより、船が抜港することになったとしても、世界中の代理店とのネットワークを駆使して代替ルートを提案することで、お客様の物流を止めることなく輸送を続けられるなど、柔軟な提案力を備えている」と語る。

 

 旺盛な需要を見込み、最優先事項として営業を強化しているインドでは、ナバシェバとチェンナイを仕向地にダイレクト混載サービスを提供。このうちナバシェバ向けでは危険物の積載が可能で、インド内陸への輸送も対応しており、同サービスの周知が進んだことも取扱量増加に貢献した。昨年10月にはチェンナイに駐在員を派遣して現地の代理店と連携しながらさらなる需要の掘り起こしを進め、同国における荷量の増加につなげている。駐在員の現地での顧客サポートや、代理店および現場との関係強化は、同社のサービス向上や維持において重要な役割を担っており、現在の派遣先は米国・ロサンゼルスおよびシカゴ、メキシコ・メキシコシティ、ベトナム・ホーチミン、インド・チェンナイ、インドネシア・ジャカルタ、ドイツ・ハンブルク、イタリア・ミラノの計8拠点。今後はインドへの追加の派遣を計画する。

 

 今後の事業戦略として、コロナ禍に伴い休止していた九州エリアでの危険物混載サービスの再開を予定。時期は未定としつつも、門司港でのサービス提供を視野に入れる。また、欧米向けのさらなる需要確保にも力を入れる計画とし、クラス2・2取扱いのレギュラーサービス化に向け、ニーズの掘り起こしを進める。さらに、4月の組織再編に伴い、輸入LCL専属のGROWTH DRIVERS(営業担当)を配置しており、危険物の輸入についても需要の取り込みを積極化するなど、危険物混載サービスのさらなる拡充に力を入れる方針にある。

 

 同社は業界で先駆けて危険物混載輸送を確立し、長年の実績により蓄積されたノウハウを持つ。危険物輸送では品目や仕向地によって対応が異なるが、知識と経験が豊富なカスタマーサービスが丁寧にサポートしている。加えて、手続きの複雑さなどから危険物輸送に抵抗を持つ荷主に対し、オフィスまで出張してセミナーなどを実施するなど、サービスの認知度向上に向けたアプローチも進めていく。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ プロテクティブスニーカー協会 TUNAG for LOGISTICS センコン物流 富士物流のホームページにニュースを提供中!! ゼネテック 日通NECロジスティクス提供 物流用語集