カーゴニュース 2025年5月29日 第5342号
川崎重工グループの川崎車両(本社・神戸市兵庫区、村生弘社長)、JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)、鉄道総合技術研究所(渡辺郁夫理事長)の3者が共同で取り組む「鉄道輸送用液化水素タンクコンテナの開発」が、NEDOの助成事業「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業/需要地水素サプライチェーンの構築に係る技術開発」に採択された。既存の鉄道インフラを活用した水素輸送方法を確立することで、主に国内内陸部などに効率的かつ安全に水素を輸送する水素SCを構築していく。
今回の取り組みは、鉄道輸送に適したタンクコンテナに必要とされる要素技術を確立するとともに、製造性確認のためにタンクの試作を行うもの。トラックやトレーラで運ぶ陸上輸送用タンクコンテナはすでに実用化されているが、鉄道輸送と道路輸送ではコンテナ貨車搭載時の振動など輸送環境が異なるため、鉄道輸送固有の振動耐久性能、高断熱性能、蓄圧性能を満たすタンク技術の開発と検証を行う。タンクコンテナは30ft級サイズを基本として技術開発を進め、40ftサイズへの拡大も検討していく。
今後は、試作したタンクコンテナを用いて鉄道での試験輸送を実施。データの評価検証や安全性評価を行うとともに、貨物駅構内における荷役など、現行作業に対する適応性も確認する。
事業期間は2025~27年度で、川崎車両はタンクコンテナの開発設計と製造、JR貨物は試験輸送と運用結果の評価、鉄道総合技術研究所は製造と運用に関する安全性評価を担当する。
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