カーゴニュースオンライン

　ボックスチャーター（本社・東京都千代田区、柴﨑安利社長）は４日、都内で開催した株主総会後の株主懇談会で、ＪＩＴＢＯＸチャーター便の２０２４年度の販売本数が１０２万本（前期比10・２％増）だったことを公表した。延べ販売事業所数、延べ顧客販売数、オプション販売件数などが軒並み前年度から増加した。今期（25年度）はナカノ商会（本社・東京都江戸川区、井川健一社長）を新たに加盟会社として迎え入れて販売能力を強化し、販売目標として、過去最高実績となる前期比３・９％増の１０６万本を目指す。

　24年度の販売実績を見ると、延べ販売事業所数は９６９３事業所となり、前期比で５５０事業所増加した。延べ販売顧客数は14万７０００社で、前期比９５００社増加し、事業開始以来最高の実績となった。オプション販売件数も40万８０００件（前期から１万２０００件増）となり、過去最高の実績だった。

　安全・品質面では、転倒・落下事故件数が60件（18件増）、発生率が０・５９万件数（０・１４万件数増）と前年度から悪化した。配達実不良率は０・１８％となり０・０７％悪化。物量増によるオーバーフローや他配送先での滞在時間が延びたことなどが要因となっている。荷物事故は４・５万件数（０・１万件数増）で前年度並みだった。

　前期の取り組みでは、重点施策となる「新たな共創領域の構築」の一環として、24年11月からパレット単位の小ロット輸送サービス「ＪＩＴパレットチャーター便」の提供を開始。現在までの累計販売本数は１０７７本、延べ利用顧客数は４４７社となっている。柴﨑社長は「ＪＩＴＢＯＸと比べて、サプライチェーンの川上の領域での利用が多い」と説明した。

　また、「販売環境の整備」として、アウタープロモーションの強化を推進。サービスの認知度向上を目指してＷｅｂ広告展開に注力し、昨年４月からはYoutubeやＳＮＳなどを活用した動画広告を開始した。その結果、コーポレートサイトへの流入数は23年度比で46・１％増加、認知度調査では認知率が２・７％向上するなどの結果が見られた。インナープロモーションの強化では、ＪＩＴＢＯＸ・ＪＩＴパレットチャーター便の知識向上に向けて、昨年４月に加盟各社に対しオンライン勉強会を開始し、４９２５人、１３４４事業所が参加した。

　このほか、「ガバナンス強化」では安全作業マネジメントツールを活用して加盟各社の実地訓練を支援。「デジタル化の推進」ではＷｅｂ集荷依頼・伝票発行サービス「ＷｅｂＪＩＴＢＯＸ」の機能改善による利便性向上に務めた。

25年度目標は１０６万本、過去最高実績目指す

　今期の販売本数目標では、１０６万本（前期比３・９％増）を目指す。柴﨑社長は「この目標値は、創業以来最高の取扱本数となる。目標達成のため、関係各社で一丸となっていく」と語った。目標達成に向けて、今期からナカノ商会が加盟会社として新たに参加することで、販売能力の強化につなげる。

　25年度の重点目標として柴﨑社長は「加盟各社が販売しやすいような商品・サービスを開発していく。併せて、持続可能なオペレーションの改善に務めていく」と述べた。具体的な施策として、「販売環境の整備」では、Ｗｅｂ広告に注力することで今年度におけるサービスの認知度で35％以上の向上を目指す。また、リピーター拡大に向けてサービスの品質向上を推進。積み付けコンテストの実施やノウハウの水平展開、訓練キットを活用した実地訓練による積み付け技術の習得支援などを進めていく。ＪＩＴパレットチャーター便の販売強化策では、加盟各社の営業マンや事務員を対象にオンライン勉強会を実施するほか、顧客に対するキャンペーンの実施やレンタルパレット事業者との連携によるパレットの提供支援に取り組む。

　「ガバナンスの強化」では、労災事故を再現したＣＧ動画を活用するなど、安全作業への意識向上につながる知識の習得環境を整備する。「デジタル化の推進」では、既存顧客の囲い込みに向けて「ＷｅｂＪＩＴＢＯＸ」のスマートフォン最適化を進める。加えて、新規・スポット顧客を獲得するためインターフェイスの開発にも着手する。