カーゴニュース 2025年10月7日 第5376号

FOCUS
国交省/石原物流・自動車局長会見
監視強化で荷主の違反原因行為を未然防止

倉庫業の外国人就労に向け「しっかり対応」

2025/10/06 17:00
全文公開記事 FOCUS 行政 トラック輸送

 国土交通省の石原大物流・自動車局長(写真)は2日、専門紙記者会見を開き、10、11月の2ヵ月間を「トラック・物流Gメン集中監視月間」に定めたことに触れ「適正な取引を阻害する恐れのある行為をしている荷主や元請事業者に対する監視を強化し、違反原因行為を未然に防止することが目的」と説明。併せて「公正取引委員会と連携して合同パトロールを実施し、荷主・元請への周知啓発を展開する」と述べた。

 

公取委と連携して荷主対策を深度化

 

 国交省は9月26日、荷主・元請に対する監視体制を一層強化する方策として、①公正取引委員会との連携②「Gメンアシスタント事務局」の設置③地方運輸局における倉庫業者向けの通報窓口の設置――などに取り組む方針を発表した。これについて石原局長は「来年1月1日からは中小事業者が取引において不当な不利益を被ることを防止する取適法(改正下請法)が施行され、同法は運送事業者の取引にも適応される。荷主に対する規制措置を強化する改正物流法も4月から全面的に施行される。そうしたことを背景に、今回の集中監視月間では国交省と公取委が連携し、荷主・元請への合同パトロールを全国規模で実施する。荷主・元請による違反原因行為の未然防止に向け、改正物流法や取適法の周知啓発活動を合同で行っていく」と取り組みを説明。合同パトロールの実施日時や実施場所については、今後、地方運輸局や公取委地方事務所などが個別に公表していくこととしている。

 

 監視体制強化の一環としてトラック・物流Gメンの活動を支援するため「Gメンアシスタント事務局」を設置した。石原局長は「23年7月にトラックGメンを創設してからこれまでの活動により相当の情報が得られている。そうした情報の調査分析や、今後のGメンの活動の総合的サポートをGメンアシスタント事務局が行うことで、国交省のGメンによる監視体制を強化する」と説明した。

 

 同事務局は、今年度はデロイトトーマツコンサルティングに業務委託しており、十数人体制で業務を実施していく。また、従来、倉庫業者からの違反原因行為に関する情報窓口は国交省本省と日本倉庫協会のみに設置されていたが、今後は地方運輸局にも設置し、より広範囲で情報収集を行う体制とする。石原局長は「違反原因行為は本来ならば起きるべきではなく、事前に防止できるならば防止すべきことだ。Gメンが行う是正活動は『働きかけ↓要請↓勧告・公表』という3段階となっているが、当面はこのステップで荷主対策を実施していく」と強調した。

 

倉庫業界の要望受け、外国人材の就労を具体化

 

 政府が外国人材の特定技能制度・育成就労制度の対象分野に物流倉庫分野を追加する方向にあることについて「労働力人口の減少を背景に、物流倉庫においても外国人材の中長期就労を実現可能とするため、特定技能制度に倉庫業を追加するよう倉庫業界から強い要望をいただいていた」と背景を語り「有識者からのヒアリングを行い、出入国在留管理庁と厚生労働省など関係省庁との行政的な調整を進めている。専門会議などでの検討を経て具体化することになる。国交省としても物流倉庫分野が同制度に追加されるよう、しっかりと対応する」と述べた。

 

 また、従来の特定技能制度に加え、27年度から育成就労制度が開始されるため、特定技能制度に基づく就労と育成就労制度による就労に分かれることが予想されることについて「倉庫会社それぞれのニーズに適したかたちで雇用形態を決めていくことになるだろう」と展望した。

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