カーゴニュース 2024年6月27日 第5254号
関東拠点でも省人化促進へ他企業との連携も進捗
こうした取り組みが実を結び、「兵庫物流センター」は前拠点と比べて、大幅な省人化を実現。前拠点には約120人の作業員がいたが、新拠点では約50人で対応できるようになり、約62%の省人化を達成した。さらに、「GTPステーション」の設計やその実績が評価され、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が主催する「2023年度ロジスティクス大賞」の「業務改革奨励賞」を受賞。町氏は「歩行レスを目指した計画は間違っていなかったと感じた」と受賞時の喜びを振り返る。
同社では次の自動化・省人化のテーマとして、トラックドライバーの負荷軽減を見据える。現在人手で行われているトラックのへの積み降ろし作業についても、できる限り自動化できる部分がないか模索中だという。また、「2024年問題」の対策として荷待ち時間短縮につなげるため、バース予約システムの導入も検討している。さらに、他拠点に省人化の取り組みを水平展開していく。「神奈川物流センター」でも歩行レスを前提に自動化機器の導入を段階的に進めていく計画だ。オペレーションを止めることなく導入していく方針で、近く着手し、来年度からの本格的な機器の全稼働を目標に据える。
このほか、他企業との物流共同化にも前向きに取り組んでおり、現在はMonotaROと連携し、共同物流による車両の効率的な運用を進めている。MonotaROは「プロロジスパーク猪名川2」に隣接する「プロロジスパーク猪名川1」に入居しており、エレコムの製品を販売する取引先でもある。共同物流の取り組みでは、MonotaROが全国の拠点から兵庫の拠点まで在庫を移送した際、荷降ろしを終えた車両がエレコムの「兵庫物流センター」に立ち寄り、MonotaROに納品する分の製品を車両に積んで、MonotaROの拠点へと配送する――という流れ。町氏は「物流課題の解決は1社のみの取り組みでは限界があり、業界全体で垣根を超えて連携していく必要がある」と指摘する。
エレコムでは従業員の快適な労働環境の整備にも注力しており、歩行レスの取り組みもその一翼を担っているが、福利厚生として自慢の取り組みが社員食堂。「兵庫物流センター」では日替わりのランチメニューを従業員に無料で提供しており、施設が山間部にあることから、窓から猪名川の美しい山々を眺めながら昼食を取れるのが魅力だ。
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