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温度区分細分化、適正な温度で運用が可能に

　改正物流効率化法について、「２０２８年度までに原則として、荷待ち時間等を含む１回の受け渡し時間の目標を１時間以内に設定しなければならず、これは冷蔵倉庫にとってハードルが高い目標だ」と指摘。生産年齢人口が減少していく中で、冷蔵倉庫の業務を継続していくには商慣行の見直し必要であるとし、10月に東冷倉など４協会連名で荷主および運送事業者向けに協力依頼文書を作成。具体的な依頼内容として、「積荷明細書と配送積荷明細の事前照合および積み込み予約の徹底」、「入出庫依頼の前倒し対応」、「小口入出庫の削減」、「バース接車時の付帯作業の削減」の４つの要点を説明した。

　外国人就労問題に関しては、２年前に日本冷蔵倉庫協会内に外国人雇用検討部会が創設されており、その活動に全面的に協力していく考えを表明。一方で、韓国や台湾、シンガポールなどは日本よりも外国人の受け入れにかかわる法整備が進み、待遇も日本を上回っていることに触れ、「外国人が日本に喜んで来てくれる環境ではない」と危機感を示した。「まずは法整備をきちんとしてもらい、そのうえで商慣習の見直しや業務の効率化、ＤＸによって業務量を減らしつつ、必要な外国人に対しては適正な対価を支払って日本に来ていただくというのが正しい道筋だ」と訴えた。

　冷蔵倉庫の管理、運営に関しては、近年の猛暑を踏まえ、「40℃の高温になってくると、現状の冷蔵倉庫設備に対して予防的な設備投資や保守・修繕が必要になってくるかもしれない」と冷蔵倉庫の事業運営に影響を及ぼす可能性を指摘。電気料金については、倉庫業法施行規則の温度区分細分化に関する改正により、「過冷却（冷やしすぎ）ではなく適正な温度で運用できるようになり、10％の省エネ効果があるとも言われている。ただ、『Ｆ１』、『Ｆ２』と２つの温度帯で管理するために必要となる設備費用も大きく、依然として過冷却のままで運用せざるを得ない冷蔵倉庫もある」と課題を述べた。

物流不動産はフレンドリーコンペティター

　物流不動産デベロッパーが冷蔵倉庫の開発を活発化させていることに関しては、「東冷倉にとってはフレンドリーコンペティターだと考えている。輸入コンテナ貨物が東京に集中している現状があり、これ以上進むと、東京の冷蔵倉庫では受けられない。デベロッパーの新たな冷蔵倉庫の開発が進むと、庫腹不足解消の一助となる」とした。一方、東京の冷蔵倉庫は基本は「保管型冷蔵倉庫」であり「物流不動産の施設の建物構造、収益構造、主要荷主と異なっていることから、現時点で競合は限定的」との見方を示した。

　各委員会活動の報告では、荒砂総務・企画委員長が、離職率抑制や定着率向上のために企画した、３年間を１タームとする「スキルアップセミナー」に関し参加者の声なども紹介。今後、効果などデータを検証し、継続の有無を判断するとした。五藤業務委員長は、安全をテーマとした４コマ漫画の配信について報告。田中技術委員長は、新技術に関する会員への情報共有などの取り組みを説明した。